まずは、サポーターたちのトレーニングについて紹介しましょう。
ヨコハマトリエンナーレ2011では準備段階から、サポーターの養成コースのような「
トリエンナーレ学校」がありました。この学校は、一般の人たちの自立したボランティア活動促進を目的に開校されたセミナーのようなスクールです。
授業の内容は、広報の役割や方法を学ぶ、ガイドマップを実際に作成する、参加の作家さんのレクチャーを受講して作品への理解を深めるなど、実践的で豪華な内容でした。
このスクール受講生が横浜トリエンナーレでサポーターとして活動中です。
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8月6日、ついに開幕しました、トリエンナーレ!
わたしも早速、
横浜美術館内に設けられたビジターセンターでのご案内を担当しました。
ここは、お客様の案内などが主な仕事になります。
ビジターセンターの目玉は、サポーター手作りのおもてなしマップ「
ヨコトリ2011まち歩きルートガイドマップ」です。ここにはプロから伝授された技と、足で稼いだ情報がいっぱい詰っています。サポーターの血と汗と涙の結晶の力作です!
3枚一組の5種類(裏表)なので、入手して、横浜、まち歩きに利用してくださいね。
さて、みなさんが疲れて立ち寄る横浜美術館の
カフェ「小倉山」でも、サポーターの力作がお出迎えします。
“Our Magic Sandwich”と銘打った、今回の出品アーティストの出身国にちなんだサンドイッチメニューがお目見えしています。このメニューはボランティアが参加してレシピを開発する企画、「サンドイッチ研究室」のレシピです。
8月28日現在、インドのピタパンを使用したタンドリーチキンのサンドと、スイスをイメージしたトマトとハーブ入りチーズのサンドイッチが登場しています。
次のレシピが登場するのは9月29日からの予定です。
インド タンドリーチキンのピタサンド ライタ添え 750円
スイス ハーブチーズとトマトのサンド 750円ご参考までに私が考えたレシピは、フルーツのオープンサンド(アメリカ)です。
今回の出展アーティストの一人、オノ・ヨーコが1964年に出版した言葉による作品『グレープフルーツ』に着想をいただきました。
濃厚なクリームチーズとさっぱりしたフルーツが相性抜群です。
こちらは9月下旬に登場予定。お楽しみに!!
アメリカ 3種のフルーツオープンサンド 750円ちなみに、このカフェ小倉山は、来館者にも人気のある横浜美術館の所蔵作品、下村観山『小倉山』から、命名された名前です。
美術館に併設のミュージアムショップには、素敵なミュージアムグッズも揃っています(美術検定のテキストもあります!)ので、たっぷり時間をとって過ごしてくださいね!
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サポーターをしていると、時々すてきな瞬間にも立ち会えるので、そのエピソードの1つを紹介します。
メイン会場の横浜美術館、正面の工事中の白い壁には、カールステン・ニコライの『
autoR』という作品が出現しています。鮮やかな8枚のステッカーを観客独自の発想で貼り付けることで、作家さんと観客が繋がってゆく、ユニークなインスタレーションです。
私がビジターセンターに在勤中、外国人の男性から「自分も貼ってみたい」と、ステッカーセットをリクエストされました。そのセットは、募金で参加するものです。男性は、「どうやって参加するの?」と、尋ねてきました。私が、“Donation(寄付)”と、お答えすると、「それなら、僕も募金するよ!」と、快くコインを募金箱へ。ビジターブースの全員から、“Thank you!”の感謝の嵐を受けていましたよ! ちなみに、この作品には100円以上の募金で参加可能です。
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プロフィール/現職の図書館司書です。2009年に「美術検定」2級・3級、2010年に1級合格。現在は横浜トリエンナーレ学校および横浜美術館カフェ小倉山の「サンドイッチ研究所」のボランティアをしています。