アートフェアといいつつ、作品を購入するだけはでなく、東京の「今」を体感できる展示空間も楽しめるのもこのフェアの特徴です。
関連企画やイベントでは「アートを買う」という定番に加え、今年は震災に関する企画もありました。また新しい試みとしては、遠藤一郎や一時画伯のワークショップなどの
チャリティプログラム、高嶺格や篠田太郎にフォーカスした「
アーティスティック・プラクティス」などがあげられます。

会場は、「東京国際フォーラム」の建築を生かし、地下2階に受付とメインフロア、地下1階に開廊5年以内のギャラリーを集めた「PROJECTS」という構成。
メインフロアは、ジャンル毎に大別されていて、スムーズに見て回れました。気になった作家は小林画廊の秋山泉です。以前銀座の『
画廊の夜会』でガイドを担当した際にも拝見し、紙に鉛筆で描く独特のモノクロームの作品がとても気になっていた作家さんですが、やはり大人気だったようです。
自分はもともと美術愛好家として休日に美術館やギャラリー巡りをしていましたが、美術検定への挑戦をきっかけに、ご縁あって現代美術系の美術館でボランティアを始めることになりました。それもあってか「PROJECTS」エリアには興味深い作品が多く、自分のギャラリー巡りの原点なんだなと改めて感じました。
気になった作品の例を挙げると、ベニヤのオブジェを引っ張るパフォーマンス映像の加藤翼(
無人島プロダクション)、ブースを一杯に使ったインスタレーションで見せた村山悟郎(
AISHO MIURA ARTS)、溢れ出る気を不思議な木彫りの彫刻で表現する泉啓司(
ARATANIURANO)などなど。
なお、この「PROJECTS」エリアには、美術出版社のブースもあり美術検定も紹介されていました!
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実際に会場を巡るのに注意したのは次の2点です。
(1)
事前準備が少し必要会場の導線が複雑で一筆書きでは回れません。事前に
フロアマップでチェックしました。今回は会場受付で配られた「
フロアマップ入り団扇」が案外便利で、今後も続けてほしいアイテムです。

(2)
近くに寄ったり遠くから眺めたり購入の前には鑑賞が必要。ブース内でじっくり見るのはもちろんですが、時には距離をおいてながめてみたい。でも通路が狭い。そこでガラス張りの空間を活かして休憩がてら会場を出て、オペラグラスで覗いてみるのもお薦めです。僕自身見逃していた作品をみつけて戻ったり。
巨大なアートフェアだけに、入場待ちや会場の混雑など諸問題あるのは事実。
ですが多くの人が様々な作品に接することができる貴重な機会として、新エグゼクティブ・ディレクター金島隆弘さんや若返ったコミッティー、そしてこのフェアに今後も期待したいと思います。
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プロフィール/2005年の横浜トリエンナーレで初ボランティア、それ以来、都内を中心にガイドやワークショップのお手伝いをしております。休日は三歳の息子とギャラリーや美術館巡りをしながら、コミュニケーション中。
そんな日常をtwitter:@az_takahikoでアート情報とあわせて発信しています。今回のアートフェア東京、書ききれなかったことは、ハッシュタグ #art_jp でつぶやいてますので、もしよろしかったら。
で、フェアレポートお約束の作品購入については・・・内緒