検定にも役立つ!? 展覧会プレビュー「びょうぶとあそぶ」@東京国立博物館
こんにちは。「美術検定」実行委委員会事務局です。
今回から新たに、「検定にも役立つ!? 展覧会&プロジェクト・プレビュー」コンテンツをスタートいたします。
初回は、東京国立博物館で始まる「びょうぶとあそぶ」です。
ページの末尾には、展覧会のチケットプレゼント情報もあります。
今回から新たに、「検定にも役立つ!? 展覧会&プロジェクト・プレビュー」コンテンツをスタートいたします。
初回は、東京国立博物館で始まる「びょうぶとあそぶ」です。
ページの末尾には、展覧会のチケットプレゼント情報もあります。
屏風絵の鑑賞を深めよう
日本の古典絵画作品は、紙に描かれたものが多くあります。そのため、作品保存のために展示ケースに入れて短期間の展示、ということが珍しくありません(詳しくは『改訂版 美術館を知るキーワード』を参照)。しかし、最近では、高精度な印刷技術を駆使した複製作品による展示も見られるようになりました。それに伴い、表装された作品を制作当時のように空間に飾ったり、紙燭や行灯のような灯りの中に展示したりという展覧会にも出会えるようになってきました。このような展示は、実物ではなくても、展示ケースの中の平面作品とは違う視点をもたらしてくれます。今回はこのような体験ができる展示を紹介しましょう。
東京国立博物館で、7月4日から始まる、親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ 高精度複製によるあたらしい美術体験」では、「美術検定」の合格者や受験者のみなさんならよくご存知の、長谷川等伯の《松林図屏風》と尾形光琳の《群鶴図屏風》(いずれも高精細複製品)を、いつもとは違う展示で鑑賞できます。読者の中には、同館で《松林図屏風》の実物を鑑賞したことがある方も多いでしょう。ただ、ガラスケース越しでの鑑賞ではなかったでしょうか?
*親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ 高精度複製によるあたらしい美術体験」*
7月4日(火)〜9月3日(日)本館特別4・特別5室 入館料/一般620円
長谷川等伯《松林図屏風》 安土桃山時代(16世紀)
紙本墨画 六曲一双 各156.8×356.0cm
国宝 東京国立博物館蔵
※掲載画像は高精細複製品(右隻)。画像はクリックで拡大
この作品は、等伯50代頃のものと考えられている。その慟哭のような激しい筆さばきから、跡継
ぎと期待していた息子久蔵を突然失くした後、間を置かずに描かれたものではないかとの説もある
今回の展示では、高精細複製による実物大の《松林図屏風》を畳に座って鑑賞することができます。屏風特有の山折り谷折りが平面である絵画にどんな効果をもたらしているのか、等伯が表現しようとした絵画空間がどのようなものなのか、実感として体験できるでしょう。等伯独自の遠近表現の工夫にも気づくはず。
また、作品を至近距離で座ってみることができますから、その筆遣いも細かく観察できます。言葉や知識としてしか知らなかった「藁筆」の描き方や、ほかのテクニックを確認することも可能です。遠目では気づかなかったうっすらと描かれた靄や松、月をはじめ、薄墨の表現などもじっくり味わってみましょう。
画像は特別5室の《松林図屏風》展示風景。
高さ約5m、直径約15mの半円形スクリーンに映し出される映像を背景に、
同作の高精細複製画を屏風として展示。靴を脱いで畳の上で作品を鑑賞できる
琳派の真髄を体験
江戸期の琳派を代表する絵師といえば尾形光琳。今回は琳派の特徴の1つでもある金箔の美しさ、そして大胆な光琳のデザインパターンで構成された、光琳の《群鶴図屏風》(フリーア美術館蔵、ワシントンD.C.)の複製が展示されます。屏風として立てた状態でみることができるため、平面ではわかりづらい鶴の配置のリズミカルさを体感できるでしょう。また、光琳の構図への工夫もよくわかると思います。
画像は第4室の《群鶴図屏風》の展示風景。鑑賞者の動きに合わせて鶴が動く演出もされるなど、屏風の外に広がる世界を想像しながら鑑賞する体験ができそう
リアル作品でつかむ日本美術の流れ
今回紹介した企画展示では、実際に屏風の模型を触って遊べる「ハンズオンコーナー」も設けられています。子どもといわず、大人でも屏風はすでに非日常。屏風の構造を知らない方はぜひ立ち寄ってみてください。
また、東京国立博物館の本館では、いつ来館しても縄文時代から明治・大正時代までの「日本美術の流れ」が、作品を通じてわかる展示になっています。定期的に、展示作品が入れ替わるため、詳しくはHPでのチェックを。陶磁器や漆工、金工などの工芸品も多く展示されており、図版ではわからない作品の細部をよくみることもできるでしょう。企画展示とともに鑑賞したい展示です。
*****
「びょうぶとあそぼう」展招待券プレゼント
5組10名様に同展の招待券をプレゼントいたします。
ご希望の方は、メールの件名を[美術検定ブログチケットプレゼント]とし、
・Q1~Q3のアンケート回答
・チケット送付先の住所と氏名
を明記の上、info@bijutsukentei.jpまでご送付ください。
<アンケート>
Q1. 美術(史)を勉強したことはありますか?
Q2. よく読む美術の雑誌や書籍、サイトはなんですか?
Q3. 美術館にはどの位行きますか?
<応募締め切り>
2017年6月22日(木) 【応募は締め切らせていただきました】
※当選は発送をもって代えさせていただきます。
*****
取材・文=染谷ヒロコ(本ブログ編集)

東京国立博物館で、7月4日から始まる、親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ 高精度複製によるあたらしい美術体験」では、「美術検定」の合格者や受験者のみなさんならよくご存知の、長谷川等伯の《松林図屏風》と尾形光琳の《群鶴図屏風》(いずれも高精細複製品)を、いつもとは違う展示で鑑賞できます。読者の中には、同館で《松林図屏風》の実物を鑑賞したことがある方も多いでしょう。ただ、ガラスケース越しでの鑑賞ではなかったでしょうか?
*親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ 高精度複製によるあたらしい美術体験」*
7月4日(火)〜9月3日(日)本館特別4・特別5室 入館料/一般620円

紙本墨画 六曲一双 各156.8×356.0cm
国宝 東京国立博物館蔵
※掲載画像は高精細複製品(右隻)。画像はクリックで拡大
この作品は、等伯50代頃のものと考えられている。その慟哭のような激しい筆さばきから、跡継
ぎと期待していた息子久蔵を突然失くした後、間を置かずに描かれたものではないかとの説もある

また、作品を至近距離で座ってみることができますから、その筆遣いも細かく観察できます。言葉や知識としてしか知らなかった「藁筆」の描き方や、ほかのテクニックを確認することも可能です。遠目では気づかなかったうっすらと描かれた靄や松、月をはじめ、薄墨の表現などもじっくり味わってみましょう。
画像は特別5室の《松林図屏風》展示風景。
高さ約5m、直径約15mの半円形スクリーンに映し出される映像を背景に、
同作の高精細複製画を屏風として展示。靴を脱いで畳の上で作品を鑑賞できる
琳派の真髄を体験

画像は第4室の《群鶴図屏風》の展示風景。鑑賞者の動きに合わせて鶴が動く演出もされるなど、屏風の外に広がる世界を想像しながら鑑賞する体験ができそう
リアル作品でつかむ日本美術の流れ

また、東京国立博物館の本館では、いつ来館しても縄文時代から明治・大正時代までの「日本美術の流れ」が、作品を通じてわかる展示になっています。定期的に、展示作品が入れ替わるため、詳しくはHPでのチェックを。陶磁器や漆工、金工などの工芸品も多く展示されており、図版ではわからない作品の細部をよくみることもできるでしょう。企画展示とともに鑑賞したい展示です。
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「びょうぶとあそぼう」展招待券プレゼント
5組10名様に同展の招待券をプレゼントいたします。
ご希望の方は、メールの件名を[美術検定ブログチケットプレゼント]とし、
・Q1~Q3のアンケート回答
・チケット送付先の住所と氏名
を明記の上、info@bijutsukentei.jpまでご送付ください。
<アンケート>
Q1. 美術(史)を勉強したことはありますか?
Q2. よく読む美術の雑誌や書籍、サイトはなんですか?
Q3. 美術館にはどの位行きますか?
<応募締め切り>
2017年6月22日(木) 【応募は締め切らせていただきました】
※当選は発送をもって代えさせていただきます。
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取材・文=染谷ヒロコ(本ブログ編集)
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