ルネサンス三大巨匠のひとり、ミケランジェロ美術検定関連の講座でいつも取り上げるルネサンス三大巨匠のひとり、ミケランジェロ・ブオナローティ。その人物像を、友人であった美術史家ジョルジョ・ヴァザーリの残した言葉などを通して知ることができます。研究者等のインタビューも多く収録され、それぞれが熱く語る、大充実の90分です。ミケランジェロは生涯結婚せず、芸術に人生をささげました。「愛と死」にまつわるエピソードも登場しますので、タイトルの意図を探りながらみると良いかもしれません。
鑑賞の新しいかたち美術ドキュメンタリーが定番化してきましたが、これはもう作品鑑賞の新しいかたちといえそうです。
まず、名作 《ダヴィデ像》やシスティナ礼拝堂の天井画など、書籍やネットで見る写真図版とは比べ物にならない美しい映像、しかも色々な角度から細部まで、それを大画面で味わえます。本物を間近にみられれば一番ですが、ヨーロッパは遠いし、現地でもこのように近づいてゆったりみることは難しく、たとえ作品が来日しても(天井画は無理ですが)展覧会は大混雑…。
また、本物の作品をみられるチャンスにあっても、キャプションとにらめっこの時間が多くとられがち。「アート・オン・スクリーン」では作品をじっくりみながら情報も自然に入ってきますので、貸し切りの美術館で音声ガイドを使っているのに近いかもしれません。
学校の教材としても使えそうですし、美術館が近くにない方や、体調がすぐれず大型展覧会から足が遠のいている方、人ごみが苦手な美術好きの方など、ぜひ一度「アート・オン・スクリーン」でゆったり鑑賞してみてください。もしかしたら、展覧会にもまた行ってみようかな、と思うかもしれません♪
「展覧会にも行ってみよう」と思ったら6月19日からは、
国立西洋美術館で
「ミケランジェロと理想の身体」展が始まっています。ミケランジェロの大理石彫刻が2体やってくる、それだけでびっくりですが、他にも見どころがあります。古代ギリシャの身体表現とルネサンスのそれを比較しながら鑑賞できるのです。
数か月前には「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」がありましたし、夏には
横浜美術館で
「モネ それからの100年」展もあります。「アート・オン・スクリーン」の映像と併せて、本物に会える展覧会もどうぞお見逃しなく!
◆映画オフィシャルサイト
「アート・オン・スクリーン ミケランジェロ:愛と死」
http://artonscreen.jp/◆展覧会サイト
「ミケランジェロと理想の身体」(国立西洋美術館)
http://michelangelo2018.jp/「モネ それからの100年」(横浜美術館)
https://monet2018yokohama.jp/
プロフィール
美術館ガイド、ワークショップ企画、美術講座講師、執筆などを通して、アートと観る人をつなぐ活動をしています。このブログでは、アートが題材となった映画をご紹介しています。