アートフェア東京 潜入レポート2013
まいど、アートナビゲーターのあづまでございます。
2011、2012年に続き今年も、3月22日〜24日に開催されたアートフェア東京をレポートします。
2011、2012年に続き今年も、3月22日〜24日に開催されたアートフェア東京をレポートします。
アートフェア東京とは、国内外の140を超えるギャラリーがジャンルを超えて美術作品を展示販売する、日本最大の美術見本市で、今回で8回目の開催となります。今年は3月22日(金)から24日(日)までと会期日数は例年通りですが、現代美術を扱うギャラリーのアートフェアG-tokyo2013や、六本木周辺で夜通しアートが楽しめる六本木アートナイトなどのイベントが重なり、美術ファンだけではなく春休み初の週末、開花が早かったお花見がてらお出かけされた方も多かったようです。
今年の特徴としては、古美術(会場マップ右中央、緑の通路)から現代美術、アジアのギャラリーといったジャンルを通路で楽しめるところ、そして会場を斜めに走る企画のライン:細川護熙元首相の作品に焦点をあてたコーナーや、昨年創刊された写真雑誌IMAに掲載された中から総勢90名の写真家の作品をとりあげたアマナのブースなどがあげられます。※画像はクリックで拡大
搬入中のアマナのブースを上からみたところ
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さて今回、ご縁あって「60分でわかるアートフェア東京」という企画の中で40分ほど会場内をツアーさせていただきました。3~4ギャラリーを巡りながら、事前に伺っていた作家や作品のことをお話したり、担当の方にお話を聞いたり、またその中で、次のようなこともお話しました。
◎展示の工夫(特に古美術)
フェア特有の白い壁が多い中、器など作品にあわせて変化させた壁の色や照明、展示方法に注目してみました。自宅で作品を飾る参考としてみて回ると、作品にもより興味がわいてきます。
◎ギャラリーは敷居が高い?→興味をもった作家や作品について尋ねてみる
僕自身も以前は感じていましたが、美術展で興味をもった作家をギャラリーに見に行った際、展示作品について気になることや驚きがありギャラリーの方にお聞きすると、とても丁寧に答えていただけました。それ以来「敷居はギャラリーではなく自分と作品との間にある」と思っています。


画像左/7月に大阪で行われる音楽とアートのイベント「SniffOut」ブースにて。西野達が生み出した作品「ミラーボールマン」とともにツアー中 画像右/ツアーの様子
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次に僕の所感を少々。
今回気になった作家や作品をあげると、まず井上オリエンタルアート。独特の展示方法で、皿1枚1枚を透明な梱包材でくるんで壁に掛けてあったのです。皿の大きさはどれもほぼ同じ五寸(15cm強)で、違った図柄の景徳鎮の皿100枚が3面の壁に並ぶ姿は見るものの目を釘付けにしていました。一方、村越画廊では、厨子や掛け軸に仏教や神道を丁寧に引用したミヤケマイの作品が印象的でした。
※4/2(火)〜8(月)は広島の三越画廊で、5/25(土)~6/30(日)は銀座のポーラミュージアムアネックスでミヤマケイの個展もあるので、ご興味ある方はぜひ!
また、アートフェア東京では、キッズ向けのワークショップも開かれています。今回、津村耕佑さんの「FINAL HOME」が行った梱包剤を使ったパズルによるワークショップに、息子と初めて参加してみました。普段とは違う柔らかな素材に戸惑いつつも、自分の背丈よりも大きな塔(本人曰くロボット)を作ったり、みんなで作った梱包材の柔らかな家に入ってみたり、時間を忘れて楽しんでいました(終わった後コテンと昼寝してしまったくらい全力投球)。
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今回のフェアを振り返って一番印象的だったのは、訪れた友人たちの多くから、昨年に比べ「明るい」という言葉がよく聞かれたことです。ブースの壁や照明、会場構成など物理的な要因もありましょうが、ここ数年の出来事や景気、そしてなにより、見る・買う観客、作品を制作する作家、展示するギャラリー、それぞれの心持ちというか、フェア全体でそういった雰囲気をかもし出していたのかもしれません。東京の「今」をあらわすフェアとして、次回どんな作家や作品、企画に出会えるか、いまから楽しみにしています。
プロフィール/2005年の横浜トリエンナーレで初ボランティア以来、都内を中心にガイドやワークショップのお手伝いをしております。休日は二人の子どもとギャラリーや美術館巡りをしながら、コミュニケーション中。そんな日常をtwitter:@az_takahikoやfacebookでアート情報とあわせて発信しています。


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さて今回、ご縁あって「60分でわかるアートフェア東京」という企画の中で40分ほど会場内をツアーさせていただきました。3~4ギャラリーを巡りながら、事前に伺っていた作家や作品のことをお話したり、担当の方にお話を聞いたり、またその中で、次のようなこともお話しました。
◎展示の工夫(特に古美術)
フェア特有の白い壁が多い中、器など作品にあわせて変化させた壁の色や照明、展示方法に注目してみました。自宅で作品を飾る参考としてみて回ると、作品にもより興味がわいてきます。
◎ギャラリーは敷居が高い?→興味をもった作家や作品について尋ねてみる
僕自身も以前は感じていましたが、美術展で興味をもった作家をギャラリーに見に行った際、展示作品について気になることや驚きがありギャラリーの方にお聞きすると、とても丁寧に答えていただけました。それ以来「敷居はギャラリーではなく自分と作品との間にある」と思っています。


画像左/7月に大阪で行われる音楽とアートのイベント「SniffOut」ブースにて。西野達が生み出した作品「ミラーボールマン」とともにツアー中 画像右/ツアーの様子
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次に僕の所感を少々。
今回気になった作家や作品をあげると、まず井上オリエンタルアート。独特の展示方法で、皿1枚1枚を透明な梱包材でくるんで壁に掛けてあったのです。皿の大きさはどれもほぼ同じ五寸(15cm強)で、違った図柄の景徳鎮の皿100枚が3面の壁に並ぶ姿は見るものの目を釘付けにしていました。一方、村越画廊では、厨子や掛け軸に仏教や神道を丁寧に引用したミヤケマイの作品が印象的でした。
※4/2(火)〜8(月)は広島の三越画廊で、5/25(土)~6/30(日)は銀座のポーラミュージアムアネックスでミヤマケイの個展もあるので、ご興味ある方はぜひ!
また、アートフェア東京では、キッズ向けのワークショップも開かれています。今回、津村耕佑さんの「FINAL HOME」が行った梱包剤を使ったパズルによるワークショップに、息子と初めて参加してみました。普段とは違う柔らかな素材に戸惑いつつも、自分の背丈よりも大きな塔(本人曰くロボット)を作ったり、みんなで作った梱包材の柔らかな家に入ってみたり、時間を忘れて楽しんでいました(終わった後コテンと昼寝してしまったくらい全力投球)。
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今回のフェアを振り返って一番印象的だったのは、訪れた友人たちの多くから、昨年に比べ「明るい」という言葉がよく聞かれたことです。ブースの壁や照明、会場構成など物理的な要因もありましょうが、ここ数年の出来事や景気、そしてなにより、見る・買う観客、作品を制作する作家、展示するギャラリー、それぞれの心持ちというか、フェア全体でそういった雰囲気をかもし出していたのかもしれません。東京の「今」をあらわすフェアとして、次回どんな作家や作品、企画に出会えるか、いまから楽しみにしています。

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