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CINEMAウォッチ「パリ・ルーヴル美術館の秘密」

こんにちは。アートナビゲーターの深津優希です。前回ご紹介した映画「ハーブ&ドロシー」の続編が公開され、DVDも発売されましたね。みなさんはもうご覧になりましたか?

さて今日ご紹介するのは「パリ・ルーヴル美術館の秘密」(監督ニコラ・フィリベール、1990年制作、2003年日本公開)です。世界一有名な美術館で働く人々の様子を撮影したドキュメンタリー映画です。


出番を待つ静かな作品たち

ふだん美術館に展示されている作品は、額やガラスケースに入ったり台に乗ったりして、言い換えると表舞台に立ってすましている印象がありますが、これは舞台裏を垣間見るような映画です。たとえば、何人ものスタッフに守られながら運搬される彫像の表情や、ロープで吊り上げられて浮遊する天使の像、楽屋(収蔵庫)で出番を待つ作品など、役者の素顔をうつした映像が続きます。


迷宮にひびく靴音、銃声

1981年にスタートしたミッテラン大統領の「大ルーヴル計画」では、イオ・ミン・ペイの設計によるガラスのピラミッドが中庭に建設された他、大蔵省が出て行った後のリシュリュー翼がルーヴル最大の展示室として生まれ変わります。全面的に改修された館内に改めて作品を展示する学芸員たちの会話、作品修復の様子、ガラスのピラミッドの掃除、新しい制服の試着をする監視員、救命訓練、庭の手入れの場面などを見ると、実に様々な職業の人がルーヴルの中に存在するのだと改めて気づかされます。そして、迷宮のような広い建物を歩くスタッフの靴音や、館内をまわって郵便物を届けるスタッフのローラースケートの音、反響音測定のための銃声など、静けさの中にひびく音もまた、とても印象的です。


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ルーヴルを数字であらわすと?

エンドロールに表れるルーヴルにまつわる数字にも驚かされます。

「何十キロメートルにも渡る地下の回廊。
30万点に及ぶ美術品。
2800室分もの錠。
(中略)
10500段の階段。
400人の管理人、
20人の消防士、
50人以上もの管理責任者たち。
総勢1200人のスタッフ。」

ちなみに私がボランティアをしている東京国立近代美術館には所蔵品が1万2000点ほどあり、そのうち一度に展示されるのは約200点です。東京国立博物館はどうかと思って公式サイトで調べてみると所蔵品は11万点以上、職員101名とありました。大きいと思っていた身近な美術館・博物館と比べても規模の違いを実感します。まるでおばけ美術館です! しかしそこに働く人々の様子がとてもチャーミングで、それがそのままこの映画の魅力にもなっていると思いました。パリ・ルーヴル美術館の秘密、あなたもこっそりのぞいてみませんか?

<参考リンク>
+「ハーブ&ドロシー

+「パリ・ルーヴル美術館の秘密

ルーヴル美術館公式ウェブサイト(日本語ページ)

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プロフィール/
あるときは美術館ガイド、あるときはワークショップを企画、またあるときは講師と、色々なアプローチでアートを楽しんでいます。美術検定の勉強がはかどらないときに、映画の中でアートに触れてみてはいかがですか?






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