美術検定オフィシャルブログ~アートは一日にして成らず

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CINEMAウォッチ「鑑定士と顔のない依頼人」

こんにちは。アートナビゲーターの深津優希です。
いま美術検定公式Twitter(@bijutsukentei)では「Xmasにほしい本&あげたい美術本」のツイートを募集しています。既に何冊かおすすめが投稿されていますが、もうご覧になりましたか?

さて、こちらのブログでは「冬休みに観たい美術関係の映画」をとりあげます。今回は旧作のDVDではなく、本日、12月13日公開の新しい映画です!試写で一足早く観てきましたので、自信を持っておすすめします!

「鑑定士と顔のない依頼人」(監督 ジュゼッペ・トルナトーレ、2013年制作、日本公開)は、オークショニアで一流鑑定士の男性が、依頼人である謎の女性に翻弄されるミステリーです。オークション、鑑定、謎の女、ミステリー。ぞくぞくしてきましたよね?


主人公の隠し部屋
オークションをとりしきる「オークショニア(競売人)」は、あちらがいくら、こちらがいくら、はい、いくらで落札、ゴン!とハンマーをおろすあの職業です。主人公ヴァージル・オールドマンは一流鑑定眼を持つオークショニアとして同業者にも一目置かれていると同時に、その偏屈で潔癖な変わった性格を少々疎まれてもいます。そんな彼の唯一の楽しみは、友人の力を借りて集めてきた女性肖像画コレクション。壁一面に肖像画をかけたヴァージルの隠し部屋は(ポスターなどで見かけた方もいらっしゃると思いますが)まさに圧巻。映画に登場する名画はルノワール、モディリアーニ、ゴヤ、クリストゥス、ブーグロー、ティツィアーノ、ボッカチーノ、クレディなどの作品。あ、これは!などと発見する楽しみもあります。


依頼人の隠し部屋
両親の遺品の鑑定を頼んできた女性クレアは、何故か電話ばかりで実際に姿をあらわしません。その思わせぶりでゲームのような、人を振り回すやり方にヴァージルは苛々させられっぱなしでしたが、屋敷で鑑定作業中、ひょんなことからクレアの居場所をつきとめます。なんと彼女は屋敷の中、壁のむこうの隠し部屋にいたのです。ヴァージルはこの謎の女性にいつしか惹かれていきますが、それまで肖像画としかつきあったことがないため(笑)、若い修復家から恋愛に関するアドバイスを得て思い切った行動にでます。


衝撃のラスト
映画の中で、屋敷でみつけた興味深いアンティークの歯車のような部品を少しずつ持ち帰り、こっそり修復家のもとに持ち込み元の姿を再現してもらいながら恋愛相談をするシーンがあります。この映画そのものも同じように、観る者は、個性豊かな登場人物たちによる様々な複線(バラバラのピース)に惹きつけられ、ミステリーの裏にある「事実」を解明しようとするのですが……。

本日公開の映画ですのでネタバレはいけませんよね。よくあるコピーのようでなんですが、本当に「衝撃のラスト」でした。ネタバレなしで感想を言葉にすると、えー!どひゃー!がーん!そこも!?それも!?といった感じです。実は主人公とともに打ちのめされて、この原稿も一週間放置してしまいました!スリルに満ちた美術鑑定ミステリー、あなたも冬休みにご覧になってはいかがでしょうか。

*「鑑定士と顔のない依頼人」映画公式サイトはこちら


プロフィール
あるときは美術館ガイド、あるときはワークショップを企画、またあるときは講師と、色々なアプローチでアートを楽しんでいます。このブログではアートナビゲーターの活動記録のほか、アートが題材となった映画をご紹介しています。

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