東京国立博物館と江戸東京博物館でのボランティア活動レポート
はじめまして。千葉県柏市在住のアートナビゲーター、安藤陽子です。
2009年4月~2012年3月に活動していた東京国立博物館の生涯学習ボランティア、そして現在活動中の江戸東京博物館のふれあいスタッフとしてのボランティア活動を紹介します。
2009年4月~2012年3月に活動していた東京国立博物館の生涯学習ボランティア、そして現在活動中の江戸東京博物館のふれあいスタッフとしてのボランティア活動を紹介します。
東京国立博物館での生涯学習ボランティア
まず、2009年春から携わった東京国立博物館と生涯学習ボランティア活動を紹介します。主な業務・役割は、館内案内板近くに立ってのお客様の案内や、本館「みどりのライオン体験コーナー」などの教育普及スペースの運営、パンフレットの印刷、講演会・ワークショップ・スクールプログラムの補助、バリアフリー対応補助でした。
活動の中で出会う来館者の中には、特別展のチケットで入館すれば本館・東洋館など館内施設を全て鑑賞できることを知らない方がいたり、本館の作品は展示替えがなく常に同じものが展示されていると思い込んでいる方も意外と多くいらっしゃいました。そういった方たちに、博物館の楽しみ方の提案・サポートをするのが任務だったと感じています。
また、東京国立博物館のボランティアは基本的に月2回以上活動しなくてはならないというノルマ的なものがあるのですが、それをクリアしたスタッフは任意で浮世絵や建物、彫刻、考古展示など各種ガイドツアーグループに参加し、お客様の前でガイドなどを行なうことができました。ガイドグループの活動では、基本的な活動だけでは得られない、展示作品に対しての学びの機会があり、幅広い客層に美術の楽しさを伝える方法を必然的に考えさせられました。時間的な負担がなかったかと言えば嘘になりますが、そこで得られた学びは今も役に立っているので、積極的に挑戦してよかったと思っています。
私自身は浮世絵ガイドグループ、建物ガイドグループ、そして年4回程度発行するボランティア手書きのイラストなどを使用した館内案内図「たんけんマップ」のグループに参加していました。ガイドを聴いた来館者の方から「また聴きにきます」というお声をいただいたり、自分の描いたイラストが掲載されたマップが博物館内で配布された時は本当にやりがいを感じました。
大変充実した東京国立博物館でのボランティアでしたが、活動希望者もとても多く、一人でも多くの人に活動に参加する機会を与えたいという館の意向から活動任期は3年間という制約があるため、2012年春で終了しました。次年度からのボランティアの募集については例年12月~1月初旬にかけて行なわれるので、興味のある方は博物館のHPなどでご確認下さい。

浮世絵ガイド時の安藤さん。右はマップに掲載された安藤さんのイラスト。
江戸東京博物館でのふれあいスタッフ
次に、江戸東京博物館でのボランティア活動をご紹介します。主な業務に、常設展示のガイドを行う展示ガイドと、館が行う「ふれあい体験教室」という体験型ワークショップの開催をサポートするふれあいスタッフがあります。私はふれあいスタッフとして、万華鏡作りや江戸切子の制作体験など、主にガラス工芸に関する体験教室を開催する「ガラス工芸班」に所属しています。毎年4月末に開催される両国にぎわい祭りの中での万華鏡づくり体験教室の運営や、年に一度(例年7月~8月位)開催する江戸切子体験教室の開催補佐を行なっています。始めた当初は専門知識や特殊な技能もなく、「自分に務まるのだろうか」と不安もありましたが、関係者一同切磋琢磨し、工夫を重ねながら体験教室開催にあたっています。なお、江戸東京博物館のボランティアは年に1回の更新制で、更新の限度などは特にありません。
体験教室は内容により、当日先着順のもの、事前申込制のものなどに分かれますが、いずれも小さなお子さん、お孫さんとの家族連れや、社会人女性同士のグループ、50代以上でおひとりでの参加の方など、非常に幅広い年齢層の方に参加いただいています。教室が始まると、みんな童心に帰り、懸命にボランティア講師などの指示に従って作業を行ないます。小さなお子さんだけでは難しい部分は、お連れの保護者の方がうまくサポートできるように誘導したり、途中で飽きてやる気がなくなってきた子どもを褒めながらうまくやる気が出るように導いたりするのが、ボランティアの腕のみせどころです(しかし基本的には講師自ら手を貸さないというのがポイントです)。参加者によっては非常に時間のかかることもありますが、最後まで根気強くフォローして作品を完成することができると、大人も子どもも無邪気に喜び、「また来ます」や「大事にします」といった言葉を残して帰られるととても嬉しくなります。

万華鏡作りの体験教室。自ら制作した作品に子どもも大人も大喜び。
万華鏡作りの制作体験については、2015年度からはより多くの行程に参加者が関わることができるよう、新たな運営形態をボランティア関係者一同で開発中です。まだまだ関係者の勉強も必要ですが、こうして博物館内の公式な体験教室メニューの開発に携わることができることに非常にやりがいを感じています。ふれあい体験教室については藍染や歴史散歩、お茶会の開催など全9班体制で幅広いジャンルの体験教室を開催していますので、機会がありましたらぜひご参加下さい。ふれあい体験教室の詳細はこちらでご確認を。
今後も、幅広い年齢層の参加対象者に楽しく体験教室に参加してもらい、より博物館の楽しみ方を知ってもらうことを目的に活動していきたいと思います。
プロフィール/学生時代は文化史を専攻し、美術に関する講義を受けるなど美術は趣味程度に好きでしたが、市役所に就職後、文化行政に関する部署への異動に伴い美術検定を受験しました。美術検定の勉強を始めてからは、体系的に美術史の流れをみるようになったり、美術に対する接し方や考え方が大きく変わりました。受験勉強としては、美術検定関連書籍をはじめ美術に関する本を読みまくりました。また、「日曜美術館」「美の巨人たち」など、美術関連テレビ番組も欠かさずチェックしました。
まず、2009年春から携わった東京国立博物館と生涯学習ボランティア活動を紹介します。主な業務・役割は、館内案内板近くに立ってのお客様の案内や、本館「みどりのライオン体験コーナー」などの教育普及スペースの運営、パンフレットの印刷、講演会・ワークショップ・スクールプログラムの補助、バリアフリー対応補助でした。
活動の中で出会う来館者の中には、特別展のチケットで入館すれば本館・東洋館など館内施設を全て鑑賞できることを知らない方がいたり、本館の作品は展示替えがなく常に同じものが展示されていると思い込んでいる方も意外と多くいらっしゃいました。そういった方たちに、博物館の楽しみ方の提案・サポートをするのが任務だったと感じています。
また、東京国立博物館のボランティアは基本的に月2回以上活動しなくてはならないというノルマ的なものがあるのですが、それをクリアしたスタッフは任意で浮世絵や建物、彫刻、考古展示など各種ガイドツアーグループに参加し、お客様の前でガイドなどを行なうことができました。ガイドグループの活動では、基本的な活動だけでは得られない、展示作品に対しての学びの機会があり、幅広い客層に美術の楽しさを伝える方法を必然的に考えさせられました。時間的な負担がなかったかと言えば嘘になりますが、そこで得られた学びは今も役に立っているので、積極的に挑戦してよかったと思っています。
私自身は浮世絵ガイドグループ、建物ガイドグループ、そして年4回程度発行するボランティア手書きのイラストなどを使用した館内案内図「たんけんマップ」のグループに参加していました。ガイドを聴いた来館者の方から「また聴きにきます」というお声をいただいたり、自分の描いたイラストが掲載されたマップが博物館内で配布された時は本当にやりがいを感じました。
大変充実した東京国立博物館でのボランティアでしたが、活動希望者もとても多く、一人でも多くの人に活動に参加する機会を与えたいという館の意向から活動任期は3年間という制約があるため、2012年春で終了しました。次年度からのボランティアの募集については例年12月~1月初旬にかけて行なわれるので、興味のある方は博物館のHPなどでご確認下さい。


浮世絵ガイド時の安藤さん。右はマップに掲載された安藤さんのイラスト。
江戸東京博物館でのふれあいスタッフ
次に、江戸東京博物館でのボランティア活動をご紹介します。主な業務に、常設展示のガイドを行う展示ガイドと、館が行う「ふれあい体験教室」という体験型ワークショップの開催をサポートするふれあいスタッフがあります。私はふれあいスタッフとして、万華鏡作りや江戸切子の制作体験など、主にガラス工芸に関する体験教室を開催する「ガラス工芸班」に所属しています。毎年4月末に開催される両国にぎわい祭りの中での万華鏡づくり体験教室の運営や、年に一度(例年7月~8月位)開催する江戸切子体験教室の開催補佐を行なっています。始めた当初は専門知識や特殊な技能もなく、「自分に務まるのだろうか」と不安もありましたが、関係者一同切磋琢磨し、工夫を重ねながら体験教室開催にあたっています。なお、江戸東京博物館のボランティアは年に1回の更新制で、更新の限度などは特にありません。
体験教室は内容により、当日先着順のもの、事前申込制のものなどに分かれますが、いずれも小さなお子さん、お孫さんとの家族連れや、社会人女性同士のグループ、50代以上でおひとりでの参加の方など、非常に幅広い年齢層の方に参加いただいています。教室が始まると、みんな童心に帰り、懸命にボランティア講師などの指示に従って作業を行ないます。小さなお子さんだけでは難しい部分は、お連れの保護者の方がうまくサポートできるように誘導したり、途中で飽きてやる気がなくなってきた子どもを褒めながらうまくやる気が出るように導いたりするのが、ボランティアの腕のみせどころです(しかし基本的には講師自ら手を貸さないというのがポイントです)。参加者によっては非常に時間のかかることもありますが、最後まで根気強くフォローして作品を完成することができると、大人も子どもも無邪気に喜び、「また来ます」や「大事にします」といった言葉を残して帰られるととても嬉しくなります。


万華鏡作りの体験教室。自ら制作した作品に子どもも大人も大喜び。
万華鏡作りの制作体験については、2015年度からはより多くの行程に参加者が関わることができるよう、新たな運営形態をボランティア関係者一同で開発中です。まだまだ関係者の勉強も必要ですが、こうして博物館内の公式な体験教室メニューの開発に携わることができることに非常にやりがいを感じています。ふれあい体験教室については藍染や歴史散歩、お茶会の開催など全9班体制で幅広いジャンルの体験教室を開催していますので、機会がありましたらぜひご参加下さい。ふれあい体験教室の詳細はこちらでご確認を。
今後も、幅広い年齢層の参加対象者に楽しく体験教室に参加してもらい、より博物館の楽しみ方を知ってもらうことを目的に活動していきたいと思います。

| アートナビゲーター活動記 | 11:39 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑