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CINEMAウォッチ「みんなのアムステルダム国立美術館へ」

こんにちは。アートナビゲーターの深津優希です。久しぶりに、アートが出てくる映画のご紹介です。今回取り上げるのは2014 年12月20日公開の「みんなのアムステルダム国立美術館へ」(監督 ウケ・ホーエンダイク、2014年、オランダ)。試写で一足はやく観てきました!


「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」の続編
どこかで聞いたようなタイトルだとお思いになった方、正解です。2010年に公開され既にDVDも出ている「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」の続編なのです。前作は、コンペで選ばれた建築家の設計案に対して市民団体が反発し大混乱をきたすという内容でした。それも展示室など内部ではなく、中庭を通り抜ける自転車道のプランについての抗議。さすが自転車王国オランダ! これにより、リニューアル・オープンの時期が大幅に遅れ関係者がイライラを募らせる様子をドキュメンタリーで撮っていたので、見ているほうも気が気ではありませんでした。大混乱をどう収束させたのか、無事に開館できたのか、気になりつつ続編の試写会に向かいました。

「コレクション」
ところで、アムステルダム国立美術館の見どころは、なんといってもオランダの黄金時代と呼ばれる17世紀の絵画。レンブラント・ファン・レイン《夜警》(*1)、ヨハネス・フェルメール《牛乳を注ぐ女》(*2)などは美術史のお勉強でも出会う名作ですね。改装後は、中世から20世紀までの様々な美術作品や工芸品、歴史的遺産を年代順に展示し、オランダの歴史をたどれるようになったそうです。

「美術館に関わる様々な人たち、その人間模様」
前作同様、異なる立場の人々の主張とイライラがやはり生々しく記録されていますが、リニューアル・オープンというゴールが近くに感じられるため、ドタバタも楽しく見守ることができました。以前に紹介した「パリ・ルーヴル美術館の秘密」でも感じたことなのですが、美術館で働くといっても本当に様々な職種がありますし、内部のスタッフだけではなく外から関わる人も多くいます。たとえば内装を手掛けるパリのデザイナーたちと館長・学芸員のやりとりや、工事期間中の警備員の様子などに、その一端を垣間見ることができます。また職業以外でも美術館に関わる人はボランティアガイドも含め多く存在します。自転車で通り抜ける市民にとっても、美術館は愛着のある大切な場所なのです。

美術検定の勉強をしているみなさんの中には、「美術」が好きというだけでなく「美術館」という場所が好きという方もいらっしゃるのではないでしょうか。私もその一人です。多くの人が関わり、惹きつけられ、何度となく通ってしまう魔法の館。その舞台裏をのぞける映画には、いつも興味をそそられます。もうすぐ公開の「みんなの―」はもちろん、DVDで「ようこそ―」のほうも、この冬ご覧になってみてはいかがでしょうか。


(*1) 1642年の作。油彩画。ニスが経年劣化により黒ずんだため夜のタイトルがついたが、もともとは昼を描いた作品。この作品をテーマにした「レンブラントの夜警」(2008年日本公開)という映画も。 

(*2) 1657~1658年頃の作。油彩画。フェルメールの別の作品から構想した映画「真珠の耳飾りの少女」(2004年日本公開)もあります。


*「みんなのアムステルダム国立美術館へ」映画公式サイトはこちら

*アムステルダム国立美術館公式サイトはこちら


プロフィール
美術館ガイド、ワークショップ企画、美術講座講師など、色々なかたちでアートに関わっています。このブログではアートナビゲーターの活動記録のほか、アートが題材となった映画をご紹介しています。

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