損保ジャパン日本興亜美術館「ギャラリー★で★トーク・アート」レポート
こんにちは。「美術検定」実行委員会事務局です。
美術検定応援館でもある、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で、展覧会ごとに開催されている対話による鑑賞プログラム、「ギャラリー★で★トーク・アート」をレポートします。
美術検定応援館でもある、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で、展覧会ごとに開催されている対話による鑑賞プログラム、「ギャラリー★で★トーク・アート」をレポートします。
「ギャラリー★で★トーク・アート」を開催するきっかけとなったのは、美術館が所在する東京都新宿区のイベントの一つである、一般を対象とした対話による鑑賞会への企画参加からでした。その後、対話による鑑賞会を美術館自体のイベントとして定着を図ることを目指し、4年前に「ギャラリー★で★トーク・アート」がスタートしました。休館日の月曜日に貸し切りで行われる当プログラムは、この日だけは気兼ねなく話をしながら鑑賞できることもあってでしょうか、徐々にその人気は広まり、プログラム終了直後に次回の参加申込をするリピーターも増えてきているそうです。
2015年8月の当プログラムは、夏休み期間中の開催ということもあり、ファミリーを対象に行われました。プログラムは、展覧会の会期中に午前・午後各1回、計2回開催される予定になっていましたが、応募多数により急きょ3回目を設定したそうです。
参加したその日はあいにくの雨でしたが、50名ほどの参加者が美術館に集まりました。参加者は7~8名ほどのグループに分かれ、ガイド役を務める美術館ボランティア2名と共に、対話をしながら6点ほどの作品を約1時間鑑賞しました。
ちょうど開催されていた「旅の風景 安野光雅 ヨーロッパ周遊旅行」展で展示されていた作品は、ヨーロッパを中心とした旅の風景画ということもあり、プログラム開始時に、ガイドは参加者に印象に残った旅先を質問しました。参加者それぞれの旅先の思い出を共有したところで、いよいよ鑑賞の始まりです。ガイドが「この景色はどの時間帯に描かれましたか?」や「ここに描かれた場所はどんなところでしょうか?」と、時間や場所などをキーワードに対話を促す質問をしつつ、時には作家の制作にまつわる話なども織り込みながら、会話が繰り広げられました。
途中、グループ内でさらに2つに分かれ、参加者それぞれが作品の第一印象を一言で表した言葉をつないでいき、それを比較し合うといったゲームも行われました。また連作の作品鑑賞の際は、その連作のうちどの作品が一番気に入ったか、参加者が理由を発表するといったこともあり、ガイドが趣向を凝らして対話しやすい環境を作っていました。
約1時間の対話による鑑賞はあっという間に終わり、その後1時間は自由鑑賞の時間です。対話による鑑賞では展示作品すべてを鑑賞しきれないので、参加者は思い思いのペースで、時には一緒に参加した方々同志で会話をしながら、ゆっくりと作品を鑑賞していました。
プログラムを企画運営している教育普及担当の吉井さんによると、「プログラムを開始した当初は、広報の段階でイベントの内容を正確に伝えきれず、参加いただいた方から『(解説型の)ギャラリートークだと思って参加したのに、違ったプログラム内容だった。もっと作品説明を聞きたかった。』と感想がありましたが、逆に『参加してみたら、他の方と自分との作品の気付きの違いに驚きました。』『他の方のお話を聞いて、絵の見方が広がりました。』など、好印象も持ってくださる方もいらっしゃいました。少しずつではありますが、広がりを感じています。」だそうです。現在は、他の鑑賞者を考慮して休館日にプログラムが開催されていますが、まずは多くの一般の方に「対話による鑑賞」を体験いただき、良さを知っていただき、ゆくゆくは開館中にも開催できるようになれば、とおっしゃっていました。
現在開催中の展覧会「もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20’s Paris」では、2015年10月19日(月)に「ギャラリー★で★トーク・アート」を開催。参加ご希望の方は、下記サイトよりお申込み下さい。
⇒ http://www.sjnk-museum.org/wp/wp-content/uploads/2014/11/20141215_talkart.pdf
また、「美術検定」合格認定証提示で、団体料金でご入場いただけます。「美術検定」を合格された方はぜひ特典もご利用下さい!
取材・文/高橋紀子(「美術検定」実行委員会事務局)
2015年8月の当プログラムは、夏休み期間中の開催ということもあり、ファミリーを対象に行われました。プログラムは、展覧会の会期中に午前・午後各1回、計2回開催される予定になっていましたが、応募多数により急きょ3回目を設定したそうです。
参加したその日はあいにくの雨でしたが、50名ほどの参加者が美術館に集まりました。参加者は7~8名ほどのグループに分かれ、ガイド役を務める美術館ボランティア2名と共に、対話をしながら6点ほどの作品を約1時間鑑賞しました。
ちょうど開催されていた「旅の風景 安野光雅 ヨーロッパ周遊旅行」展で展示されていた作品は、ヨーロッパを中心とした旅の風景画ということもあり、プログラム開始時に、ガイドは参加者に印象に残った旅先を質問しました。参加者それぞれの旅先の思い出を共有したところで、いよいよ鑑賞の始まりです。ガイドが「この景色はどの時間帯に描かれましたか?」や「ここに描かれた場所はどんなところでしょうか?」と、時間や場所などをキーワードに対話を促す質問をしつつ、時には作家の制作にまつわる話なども織り込みながら、会話が繰り広げられました。
途中、グループ内でさらに2つに分かれ、参加者それぞれが作品の第一印象を一言で表した言葉をつないでいき、それを比較し合うといったゲームも行われました。また連作の作品鑑賞の際は、その連作のうちどの作品が一番気に入ったか、参加者が理由を発表するといったこともあり、ガイドが趣向を凝らして対話しやすい環境を作っていました。
約1時間の対話による鑑賞はあっという間に終わり、その後1時間は自由鑑賞の時間です。対話による鑑賞では展示作品すべてを鑑賞しきれないので、参加者は思い思いのペースで、時には一緒に参加した方々同志で会話をしながら、ゆっくりと作品を鑑賞していました。
プログラムを企画運営している教育普及担当の吉井さんによると、「プログラムを開始した当初は、広報の段階でイベントの内容を正確に伝えきれず、参加いただいた方から『(解説型の)ギャラリートークだと思って参加したのに、違ったプログラム内容だった。もっと作品説明を聞きたかった。』と感想がありましたが、逆に『参加してみたら、他の方と自分との作品の気付きの違いに驚きました。』『他の方のお話を聞いて、絵の見方が広がりました。』など、好印象も持ってくださる方もいらっしゃいました。少しずつではありますが、広がりを感じています。」だそうです。現在は、他の鑑賞者を考慮して休館日にプログラムが開催されていますが、まずは多くの一般の方に「対話による鑑賞」を体験いただき、良さを知っていただき、ゆくゆくは開館中にも開催できるようになれば、とおっしゃっていました。
現在開催中の展覧会「もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20’s Paris」では、2015年10月19日(月)に「ギャラリー★で★トーク・アート」を開催。参加ご希望の方は、下記サイトよりお申込み下さい。
⇒ http://www.sjnk-museum.org/wp/wp-content/uploads/2014/11/20141215_talkart.pdf
また、「美術検定」合格認定証提示で、団体料金でご入場いただけます。「美術検定」を合格された方はぜひ特典もご利用下さい!
取材・文/高橋紀子(「美術検定」実行委員会事務局)
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