アートナビゲーターが選んだ松岡コレクション
まいど、あづまでございます。
本日は、美術の様々なシーンで活躍するアートナビゲーターの活動をアートナビゲーターが紹介するという新シリーズ第一弾として、松岡美術館で開催中の創立40周年記念特別企画「わたしの好きなシロカネ・アート 松岡コレクション 私のお気に入り」をとりあげます。
本日は、美術の様々なシーンで活躍するアートナビゲーターの活動をアートナビゲーターが紹介するという新シリーズ第一弾として、松岡美術館で開催中の創立40周年記念特別企画「わたしの好きなシロカネ・アート 松岡コレクション 私のお気に入り」をとりあげます。
■松岡美術館と美術検定のご縁
港区白金台にある松岡美術館は、美術検定応援館でもあり、以前当ブログでも大森香苗さんが紹介をされています(「美術検定」応援館訪問記 ~松岡美術館~」)。1975年に新橋に開館、2000年に現在の白金台に移り、今年が40周年のメモリアルイヤー。そうした記念すべき2015年の本年 、4回にわたって様々な形でコレクションを紹介してきました。

今回は最終回、美術業界の目利きたち、各美術館館長から研究者、画廊、オークショニストなど約40名が、松岡美術館の1800におよぶ珠玉のコレクションからお気に入りの一品を選びました。その一人として、アートナビゲーター日下真美さんが素敵な作品を紹介しています。日下さんが案内役を勤めていたMXテレビの番組「美術館へ行こう」で松岡美術館の展覧会をとりあげたことがきっかけとなり、今回松岡治館長からお話があり、「目利き」のひとりとして登場するに至ったそうです。当時の紹介のVTRはこちら。(他にも、「美術館へ行こう」のアーカイブは多数あります)
テレビで紹介しきれなかった作品について語る日下さん
■アートナビゲーターが選ぶ一品!
日下さんが選ばれたのは、円山応挙の『梅月亀図』。松岡館長曰く「当美術館でもめったに展示しない作品」という応挙作品、展示にあたり空間を贅沢にとるなど美術館側の心意気もなかなかです。そして、作品や作家とのご縁や、初代館長でもあるコレクター松岡清次郎(松岡翁)との思い出といったコメントが多い中、日下さんの目線はあくまで鑑賞者。アートナビゲーターとして作品をじっくり眺め感じたことが書かれていました。写真ではなかなか伝わらない(僕の写真の腕もありますが)作品の妙、ぜひ会場でご覧ください!(写真は、フラッシュやシャッター音なしならOKとなっています。)

日下さんが選んだ松岡コレクション、円山応挙の『梅月亀図』
■味わい深く懐の深いコレクション
今回の企画は、松岡館長が美術館にいらした当初からいつか開催したい、と8年もの間温めていたアイデアだそうです。その思いが伝わっているのでしょう、来館者や目利きの方々の言葉を読んでいると、作品・作家への思い入れもさることながら、松岡美術館、そしてそのコレクションへの愛情を強く感じます。松岡清次郎が選んだ作品を様々な切り口で展示するというスタイルを守ってきたこの美術館にとって、訪れた方々のコメントの数々は、そのコレクションを味わい深く厚みをもたせる「新規収蔵品」なのかもしれない、と感じました。
■まとめ
松岡清次郎が自分の目で選んだ、古代ギリシャから近代絵画・彫刻まで古今東西にわたる作品たち。訪れた人が自分のお気に入りを見つけられる、懐の深いコレクションです。これからの時期、お庭の紅葉も見頃になりますので、みなさんも気に入った作品を記憶にとどめつつ、感じたことをひとこと、美術館に残してみませんか。

松岡美術館内の庭園。これから葉が色づき始めるそう
ちなみに自分のお気に入りの一品は、ヴラマンク『スノンシュ森の落日』。まるで燃えているかのような鮮烈な<赤>が印象的でした。
■余談
最後の部屋に展示していたこれまでの40年の展覧会の全ポスターも必見です。そして、語松(ごしょう)という名で時折義太夫の舞台をつとめ、様々な慰問もしていたという松岡翁、愛用の肩衣や見台とともに飾られた写真には鶴澤重蔵、三生の三味線で堂々と語るお姿が。義太夫を嗜んだこともある自分には胸熱なひとときでした。

■松岡美術館 創立40周年記念 特別企画
『わたしの好きなシロカネ・アート 松岡コレクション 私のお気に入り』
2015年10月7日(水)~12月19日(土)
開館時間 午前10時~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
観覧料 一般800円/65歳以上・障害者700円/中高大生500円(美術検定合格者は合格認定証で100円割引!)
http://www.matsuoka-museum.jp/exhibition/exhibition.html
プロフィール
2005年の横浜トリエンナーレで初ボランティア、それ以来、会社員のかたわら都内を中心にガイドやワークショップのお手伝いをしております。休日は二人の子どもとギャラリーや美術館巡りをしながら、コミュニケーション中。最近は企業とアートの関係性について考える時間が増えています。
港区白金台にある松岡美術館は、美術検定応援館でもあり、以前当ブログでも大森香苗さんが紹介をされています(「美術検定」応援館訪問記 ~松岡美術館~」)。1975年に新橋に開館、2000年に現在の白金台に移り、今年が40周年のメモリアルイヤー。そうした記念すべき2015年の本年 、4回にわたって様々な形でコレクションを紹介してきました。

今回は最終回、美術業界の目利きたち、各美術館館長から研究者、画廊、オークショニストなど約40名が、松岡美術館の1800におよぶ珠玉のコレクションからお気に入りの一品を選びました。その一人として、アートナビゲーター日下真美さんが素敵な作品を紹介しています。日下さんが案内役を勤めていたMXテレビの番組「美術館へ行こう」で松岡美術館の展覧会をとりあげたことがきっかけとなり、今回松岡治館長からお話があり、「目利き」のひとりとして登場するに至ったそうです。当時の紹介のVTRはこちら。(他にも、「美術館へ行こう」のアーカイブは多数あります)

テレビで紹介しきれなかった作品について語る日下さん
■アートナビゲーターが選ぶ一品!
日下さんが選ばれたのは、円山応挙の『梅月亀図』。松岡館長曰く「当美術館でもめったに展示しない作品」という応挙作品、展示にあたり空間を贅沢にとるなど美術館側の心意気もなかなかです。そして、作品や作家とのご縁や、初代館長でもあるコレクター松岡清次郎(松岡翁)との思い出といったコメントが多い中、日下さんの目線はあくまで鑑賞者。アートナビゲーターとして作品をじっくり眺め感じたことが書かれていました。写真ではなかなか伝わらない(僕の写真の腕もありますが)作品の妙、ぜひ会場でご覧ください!(写真は、フラッシュやシャッター音なしならOKとなっています。)

日下さんが選んだ松岡コレクション、円山応挙の『梅月亀図』
■味わい深く懐の深いコレクション
今回の企画は、松岡館長が美術館にいらした当初からいつか開催したい、と8年もの間温めていたアイデアだそうです。その思いが伝わっているのでしょう、来館者や目利きの方々の言葉を読んでいると、作品・作家への思い入れもさることながら、松岡美術館、そしてそのコレクションへの愛情を強く感じます。松岡清次郎が選んだ作品を様々な切り口で展示するというスタイルを守ってきたこの美術館にとって、訪れた方々のコメントの数々は、そのコレクションを味わい深く厚みをもたせる「新規収蔵品」なのかもしれない、と感じました。
■まとめ
松岡清次郎が自分の目で選んだ、古代ギリシャから近代絵画・彫刻まで古今東西にわたる作品たち。訪れた人が自分のお気に入りを見つけられる、懐の深いコレクションです。これからの時期、お庭の紅葉も見頃になりますので、みなさんも気に入った作品を記憶にとどめつつ、感じたことをひとこと、美術館に残してみませんか。

松岡美術館内の庭園。これから葉が色づき始めるそう
ちなみに自分のお気に入りの一品は、ヴラマンク『スノンシュ森の落日』。まるで燃えているかのような鮮烈な<赤>が印象的でした。
■余談
最後の部屋に展示していたこれまでの40年の展覧会の全ポスターも必見です。そして、語松(ごしょう)という名で時折義太夫の舞台をつとめ、様々な慰問もしていたという松岡翁、愛用の肩衣や見台とともに飾られた写真には鶴澤重蔵、三生の三味線で堂々と語るお姿が。義太夫を嗜んだこともある自分には胸熱なひとときでした。


■松岡美術館 創立40周年記念 特別企画
『わたしの好きなシロカネ・アート 松岡コレクション 私のお気に入り』
2015年10月7日(水)~12月19日(土)
開館時間 午前10時~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)
観覧料 一般800円/65歳以上・障害者700円/中高大生500円(美術検定合格者は合格認定証で100円割引!)
http://www.matsuoka-museum.jp/exhibition/exhibition.html

2005年の横浜トリエンナーレで初ボランティア、それ以来、会社員のかたわら都内を中心にガイドやワークショップのお手伝いをしております。休日は二人の子どもとギャラリーや美術館巡りをしながら、コミュニケーション中。最近は企業とアートの関係性について考える時間が増えています。
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