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美術検定オフィシャルブログ~アートは一日にして成らず

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ホテルでのアートフェア『ART in PARK HOTEL TOKYO 2016』

まいど、あづまでございます。

毎年3月は、東京国際フォーラムでアートフェア東京が開催されていましたが、今年は会場の改修により5月開催となっています。そこで、今年から始まる新しいアートフェア『ART in PARK HOTEL TOKYO 2016』を、開催場所となるパークホテル東京のアートへの取り組みを中心にご紹介いたします。

当ブログでは、2014年3月アートフェア東京2014の関連プログラムとして、『COVERED TOKYO Park Night 2014』を簡単にご紹介いたしました『COVERED TOKYO Park Night 2014』を簡単にご紹介いたしましたので覚えていらっしゃる方もおられるかもしれません。その会場でもあった汐留のパークホテル東京にてアートフェアが3月12日、13日に開催されます。

東京では最近みかけませんが、大阪や名古屋、札幌、福岡、神戸など、ホテルでのアートフェアは増えています。今回会場となるパークホテル東京は、ふだんから展示などアート活動に積極的に関わっているホテルとして、様々なメディアに登場していますが、改めてこれまでの取組みをご紹介いたします。


ゆりかもめ線・都営大江戸線の汐留駅から直結の共同通信社ビル。パークホテル東京はその25階から34階に位置します。

ロビーフロアの25階でエレベーターを降りると、この日はアーティスト三沢厚彦さんの犬の彫刻が出迎えてくれました。荒削りな木彫の感じを残しつつもどこか愛らしい表情が、ホテルロビーというやや格式高い雰囲気をなごませてくれます。フロアに入ると、都心では最大級の40mのアトリウム(吹抜け)、まるで屋外に出たような開放感が感じられます。伺った際には、アートフェアにあわせた各画廊のいち押し作家の展示や、台湾の若手作家の展示が行われていました。

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パークホテル東京でのアートコンセプトは「日本の美意識」。

アトリウムでは、四季に合わせた日本のアートを展示するARTcolous(アートカラーズ)を年四回行っています。2015-2016年冬は、川上和歌子さんの展示「冬の祝祭」。1mほどある紅白のインコのぬいぐるみがロビーフロアに約100羽(!)とまっていました。美術館のレストランやカフェでみかける、アート作品をイメージした料理はもちろん。ホテルならではの、展示に合わせたオリジナルカクテルも楽しむことができます。夕方以降に流れる、吹抜けを生かした季節感たっぷりの映像投影(30m)もダイナミックです。

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アートに泊まる:世界に1室のアーティストルーム。ホテルの31階の客室を、「日本の美意識」をテーマにアーティストがペインティング、作品に包まれるようなひと味違った滞在ができます。2016年中にはフロア全ての客室がアーティストルームに!江戸や東京の景色に里山、枯山水といった風景画から、招き猫や龍、干支、妖怪などのキャラクター、部屋全面に描かれたものから、余白を効果的に使った作品など、作家が違えば雰囲気も異なり、それぞれの味わい深さがあります。実際にホテルの方に伺うと、長期滞在をされる方が一日ごと部屋を変えてほしい、などこのホテルならでの要望もあり、宿泊の方もご満足いただいているとか。

これらの企画に加え、銀座の画廊のイベントや、夏の夜の「妖怪ナイト」、毎週水曜夜のDJナイトなど、様々なイベントも行っています。そして驚くのはこれらの企画に、ふだん宿泊や料理飲食、バーといった業務を担当される方が積極的に携わっていらっしゃることです。自分もクリスマスイベントなどに参加してみましたが、そのときの居心地よさと満足度は、ホテルならではのホスピタリティがあったから、と改めて今回感じました。

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パークホテル東京は、東京タワーのお膝元、芝パークホテルの姉妹施設として2003年9月に開業しました。東京タワーや富士山、お台場方面など眺望もよく、大江戸線による都心へのアクセスも便利なホテルが、なぜアートへの取り組みを始めたのでしょうか。

ホテルの方にお聞きしたところ、リーマン・ショックや震災でホテル業界が厳しい中、開業10年が経とうとする節目の2012年、アート作品がもつ「コミュニケーション力」に注目されたそうです。みなさんもご経験がおありでしょうが、フロントやコンシュルジュ、レストランとホテルでは自然とコミュニケーションが生まれます。それに加えて、アートへの取り組みにより、ちょっとした会話のきっかけがうまれ、顧客とホテル側の密な関係を生み出していく。もともと東京初のデザインホテルズとして、海外の美術館関係者らをはじめリピーターも多かったのですが、作品展示などをきっかけに美術談義に花咲くことも増えたそうです。

そして今回は、東京では久しぶりとなるホテルでのアートフェア。主催は、これまで長年、大阪でのホテルアートフェアを行ってきた『ART OSAKA』ですが、これまでご紹介してきたように、これまでのホテルアートフェアとは違い、普段からアートと関係の深いパークホテル東京ならではのフェアだけに期待が高まります。フェア中は、総支配人と作家のツアーイベントもあり、ふだん宿泊のため見ることのできないアーティストルームのうち、拝見できる部屋もあるとのこと。イベントなど詳細は、アートフェアのホームページでご確認ください。

春の東京のアート散歩に、汐留方面に出かけてみませんか。

■ART in PARK HOTEL TOKYO 2016
開催日時:2016 年3 月12日(土)- 3 月13 日(日)
VIP Hours:12 日(土)・13 日(日)10:30 - 12:00 *招待客のみ
一般公開 :12 日(土)・13 日(日)12:00 - 19:00 *ご入場はフェア終了1 時間前まで
会場:パークホテル東京 25階(受付)26 階、27 階(2 フロア貸切)
〒105-7227 東京都港区東新橋1 丁目7 番1 号 汐留メディアタワー (フロント25 階)
Tel.03-6252-1111(代表) URL. http://parkhoteltokyo.com
・JR、東京メトロ・都営地下鉄「新橋駅」より徒歩7 分
・都営地下鉄大江戸線「汐留駅」直結(7、8 番出口)/ 新交通ゆりかもめ「汐留駅」直結
出展ギャラリー:39 ギャラリー
入場料:¥1,500 / 1day pass *チケットはフェア受付にてお買い求め下さい
公式ウェブサイト:http://www.aipht.artosaka.jp/


プロフィール
2005年の横浜トリエンナーレで初ボランティア、それ以来、会社員のかたわら都内を中心にガイドやワークショップのお手伝いをしております。休日は二人の子どもとギャラリーや美術館巡りをしながら、コミュニケーション中。最近は企業とアートの関係性について考える時間が増えています。

| 美術館&アートプロジェクトレポート | 16:30 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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