fc2ブログ

美術検定オフィシャルブログ~アートは一日にして成らず

「美術検定」のオフィシャルブログです。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

アートナビゲーターがアート・エバンジェリストとして“伝える”活動開始

こんにちは。アートナビゲーターの春山です。この度は、もう一つの資格、アート・エバンジェリストという認定制度を通じて始めた、“アートを伝える”活動をご紹介します。


 美術検定1級に合格しアートナビゲーターを取得後、週末ごとに美術館を梯子するようになりましたが、大きな題目“伝える”ことがあまり出来ていないと反省していました。
 そんな中、2015年の夏、新規にアート・エバンジェリストという認定制度が立ち上がるとの一報を受けました。アート・エバンジェリスト(以下、AE)とは、アートを伝え広める人として活動していく人を認証し支援する認定制度です。10代の頃からクラシック音楽オタクだった私は、バッハの受難曲等で「エバンゲリスト(福音史家)」という言葉にも馴染んでおり、その響きに惹かれたのと、仕事面でも“伝える力”が弱いと感じていたので、伝えるスキルの習得につながれば、との気持ちから受講しました。
 初代AE認証を得て認識したのは、各人が長い人生の中で培ってきた持ち味や得意分野を活かしてアートを伝えればいいということで、特段気負う必要もないんだと肩の荷がおりた気がしました。

 AEの活動の柱に、「アートサプリウォーク」という街歩きをしながら身近なアート発見のお手伝いをするというものがあります。
 今回はモデルコースの一つ「目白~池袋編」を、アートファンにもあまり馴染のない「新宿落合」に絞り込み、「目白駅⇒中村彝アトリエ記念館アダチ版画研究所佐伯祐三アトリエ記念館目白聖公会」というコースにアレンジしてツアーを企画してみました。催行日に、ちょうど隣町の池袋で「池袋モンパルナス祭」が開催されていましたので、終了後ご希望の参加者に、目白庭園自由学園明日館旧江戸川乱歩邸をご案内しました。

20160617
アートサプリウォーク【下落合編】で中村彝アトリエ記念館を訪問するツアーメンバー

 参加者からいただいた声としては、普段行き慣れている地域とは違う上にツアーでないと入場できない施設を訪問でき、新鮮で面白かった、といったご意見や、今回のツアーで佐伯祐三未亡人の米子さんに興味を持った方は、笠間日動美術館のパレット館で米子さんや鈴木誠さんの二人のパレットとそこに描かれた小世界を目にしたいというご意見、また水戸の茨城県立近代美術館敷地内にある中村彝再現アトリエを今回見た落合アトリエと比較して見てみたい、両館を織り込んだ茨城ツアーを是非計画してほしいといった要望など、嬉しいものばかりでした(ツアーのレポートはこちら→http://ae-salon.com/report/repo_asw20160521/でもご覧になれます)。

 今回企画を進めていく中で、自分たちにとって大きな収穫となったのは、「プロの仕事人」であるインタビュアーやデザイナーに助けてもらった経験です。
 今回のモデルコースでのツアーは、3名のAEで企画運営を行いましたが、わずか3名での共同作業でも、最初は各人のツアーの方向性が定まらずにいました。しかし、プロのインタビューを受けながら其々の思いを語っている内に、全員の方向性が何となく見えてきて、ツアーを企画運営する上で重要なポイントを整理する目処がついてきました(このAE3名へのインタビュー記事はこちら→http://ae-salon.com/interview/ae-job01/をご参照下さい)。
 また当初は、自分たちでフライヤーを制作し、幅広く外部に広報する予定だったのですが、時間切れで外部へのアプローチができず終いとなり、やむなく、トレーニングの意味も含めてフライヤーだけは自分たちで作成し、知人、アートトランジット、美術アカデミー&スクールといった関係者への配布を行いました。そのフライヤー作成時の最後の仕上げ段階でプロのデザイナーにちょっとした手直しを入れていただいたところ、「使用前」⇒「使用後」ともいうべき見事な出来栄えに変貌し、それだけに幅広い広報が出来なかったことが心残りです。

 「美術検定」はアートに関連した映画などの分野も出題範囲に含まれ、美術、と一言でいっても古今東西を網羅した幅広い分野から出題されますが、AEも幅広いアートと接することを謳っています。
 次の私の企画は、国立新美術館、森美術館、サントリー美術館からも徒歩圏内の好立地にある六本木のバールでイタリアワインを飲みながら、映画監督ルキノ・ヴィスコンティと彼の愛した美しい男達について語るというものです。“アートは人生のスパイス”をモットーとしていますので、美味しい料理やワインを囲みながら、ヴィスコンティの至極の映像についてお話をすることにより、参加者の人生をより美味しくするお手伝いが出来ればと思っています。本企画は、誰もが語り易い“映画”というテーマですので、参加者にも語っていただいたりクイズも織り交ぜてみたりと、普段とはテイストを変えた伝え方を目下プランニング中です。ご興味あります方は、ぜひご参加いただければ幸いです。

■次回の企画「ヴィスコンティと美しき男たちの夕べ」は6月28日(火)19時半~六本木で開催!詳細はこちら → http://ae-salon.com/event-info/aeself20160628/


プロフィール
2008年に美術検定1級合格、2009年東京都美術館で開催された「美術館名品展」でアートナビゲーターとして初めてボランティア参加。その後、美術アカデミー&スクールが主催するART LABOで研鑚を積みつつ、2015年に初代アート・エバンジェリスト認証取得。
週末は冬でも汗だくで専ら美術館巡りをしています。ガイド歴はDIC川村美術館、川端龍子記念館等、特色のある美術館が好みです。

| アートナビゲーター活動記 | 11:00 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT