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CINEMAウォッチ「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮」

こんにちは。アートナビゲーターの深津優希です。2017年がはじまりましたね。
年末年始のお休みに、積んであった本やDVDを堪能した方や、美術館に初詣された方も多いのではないでしょうか。今年も素敵なアートとの出会いがたくさんありますように! 
さて、2017年1月28日の劇場公開に先駆け、映画「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮」の試写会に参加してきましたので、早速ご紹介します。


4Kスキャンによる 《最後の晩餐》
映像技術の進歩が目覚ましい昨今、美しいものを最新の技術で記録し伝えたいという制作者の想いもあってか、美術館や美術作品をとりあげるドキュメンタリー映画が色々と公開されていますね。そうした観点からこの映画の見どころを一言でいえば、「世界初4Kスキャンによる《最後の晩餐》」でしょう。本物の壁画はサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の事前予約制ガイドツアーでみることができますが、私は未訪で残念ながら行く予定もなし…。実際に訪れた人に聞くと、やはり少し離れた所からみるそうです。映像ではぐっと近寄ってみることができるのが嬉しいですね。

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美術検定でもおなじみの《最後の晩餐》


字幕を追わなくてよいし、82分という程良い長さ(笑)
ところで今までこちらで紹介した映画の多くは、その時の心身のコンディションが万全でないと、つい途中で夢の世界に… ということもあったかと思います。私も試写室や映画館で気持ちよさそうな寝息をたびたび耳にしました。おそらくその理由の一つは音声が外国語(聞きなれないオランダ語など)で、翻訳を字幕で追わなくてはいけないことではないでしょうか。もう一つ理由をあげるとすれば、その上映時間の長さ。暗闇で外国語を2時間以上にわたって聞いたりすると、人は眠くなることがあるのです。寝てしまった方、ご自分を責めないで!
こちらの映画は全編日本語吹き替えで、登場人物もナレーションも直接に語りかけてきます。上映時間も82分と程良い長さで安心!寝てしまいそう、途中でトイレに行きたくなりそう、などと感じていた皆さまも、ぜひ劇場に足をお運びくださいね。


専門家たちの語りにふむふむ、《白貂を抱く貴婦人》のモデルや弟子のサライらに扮した俳優の語りにわくわく
2015年にミラノで開催された展覧会を軸に、研究者による解説、ルネッサンス期にタイムスリップして楽しむ再現ドラマ、そしてレオナルド・ダ・ヴィンチ本人の語りによって、この映画は構成されています。
レオナルド・ダ・ヴィンチはその名の通りヴィンチ村に生まれ、フィレンツェに移りヴェロッキオに師事したのち、ミラノではルドヴィコ・スフォルツァのもとでイベントの演出から衣装デザイン、楽器の演奏、肖像画制作に至るまでなんでもこなします。その後フランスがイタリアに侵攻、ダ・ヴィンチはミラノを去り各地を転々としローマへ移るも、絵画作品は発表せず。フランス国王フランソワ1世に招かれてフランスで最後の日々を送りました。再現ドラマには、ダ・ヴィンチのそばで長く過ごしたサライや、描かれた女性たちのも登場し、カメラ目線であなたに直接語りかけます。当時の人間関係などに思いをはせつつ、衣装や髪形にもご注目くださいね。

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レオナルド・ダ・ヴィンチを巡る当時の人々の再現ドラマにも注目 (©Rai Com – Codice Atlantico - Skira Editore 2016)


その名を知らない人はいないルネッサンスの天才、レオナルド・ダ・ヴィンチですが、一方でその人物像、人生、作品に関して謎が多いことでも知られています。そしてこの謎多き巨匠は、2019年に没後500年を迎えます。この機会に映画を通してお近づきになってみませんか?


◆映画オフィシャルサイト
「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮」 http://davinci-in-labyrinth.com/

◆過去の記事
CINEMAウォッチ「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝」
http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-177.html
CINEMAウォッチ「みんなのアムステルダム国立美術館へ」
http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-174.html
CINEMAウォッチ「パリ・ルーヴル美術館の秘密」
http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-141.html
CINEMAウォッチ「グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状」
http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-225.html


プロフィール
美術館ガイド、ワークショップ企画、美術講座講師、執筆などを通して、アートと観る人をつなぐ活動をしています。このブログでは、アートが題材となった映画をご紹介しています。




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