美術への⼊り⼝を広げ、多様な楽しみ⽅を提案する
皆さんこんにちは。アートナビゲーターの⼩林です。関⻄のカルチャーセンターで、美術鑑賞を楽しむ講座を担当する講師として活動しています。今回はその活動についてご紹介したいと思います。
まずはこれまでの経緯を説明します。私と美術検定との出会いは、書店でした。その頃私はカラーコーディネーターの仕事をしており、⾊彩検定のテキストを探しに⾏ったのですが、そこで発⾒したのが⻩⾊と⻘の⽬⽴つ配⾊の美術検定のテキストだったのです。

黄色と青が特徴的だった当時の美術検定テキスト(今はどちらも絶版)
⼦供の頃から家にある美術全集や画集を眺めるのが⼤好きで、時々美術館に⾏くのが趣味だった私は⾯⽩そうと思い、⼿に取りました。また、美術と⾊彩は関係があるし、仕事にも役⽴つことがあるかもしれないと考えて、受験を決めました。
そんな軽い気持ちで4級から受けましたが、級が上がるにつれ、勉強はかなりハードになっていきました。が、勉強が⼤変な分、知識を得てから美術館に⾏った時に、今までと違う発⾒があることが⾃分でも驚きで、⼤きな励みになりました。
そして2014 年に1級合格、アートナビゲーターになり、関⻄でもアートナビゲーターの活動の輪を広げて盛り上げていきたいと思いました。そこで、東京で美術検定講座を開講している美術Academy&School の⽅にこの思いをお伝えしておりましたところ、ご縁があって⼤阪市⽴生涯学習センター・阿倍野市⺠学習センターでの美術史講座の依頼をいただきました。その後、各地のカルチャーセンターで講座開講となり、現在に⾄ります。
講座の内容は、⼤きく2つのスタイルに分かれます。1つは教室の中で講義し、もう1つは教室の外に出て、美術館などで実際に作品を鑑賞しながら解説をするスタイルです。
1つ⽬の教室内での講義は、⽉1回の定期講座と、1回から3回で完結する単発講座があります。定期講座では、⻄洋・⽇本美術史の通史のほか、絵画に描かれた聖書や神話、歴史のストーリーの解説や、巨匠の伝記など、いくつかの⼤きいテーマに沿ってお話ししています。最初は基本の通史から始まりましたが、受講された⽅々のご希望により、様々なテーマに広がってきています。

教室での講義風景
私⾃⾝、美術検定の勉強を通して、絵画を⾒る時の知識の⼤切さを⾝をもって知りました。それまで絵画鑑賞は感性や好みに頼るだけでしたが、検定を受けた後の⾃分の変化はまさに「⽬からウロコ」でした。ですので、受講者の⽅にも私と同じように「知ること」「発⾒すること」の楽しさ、⾯⽩さを知って味わってもらいたい、そういう思いでこのお仕事を始めました。それは今も変わらず、これからもずっとそうありたいと思っています。
また、私はカラーコーディネーターとしても活動しておりますので、⾊彩に注⽬して配⾊や構図からその絵の素晴らしさや作者の考えに迫る、あるいは⾊彩理論から絵画を読み解くというような解説にも⼒を⼊れています。
それから単発講座では、その時々に関⻄で注⽬度の⾼い美術展をテーマに取り上げ、展覧会の⾒どころや鑑賞に役⽴つ知識をお伝えしています。展⽰内容だけではなく、夜間開館の⽇時など、実⽤的な情報も併せてお伝えしています。と同時に、作品の解説に関しては、事情で展覧会に⾏けない⽅でも楽しめるような内容を⼼がけています。今まで取り上げた展覧会は、2017年は京都国⽴博物館「国宝展」、2018年は兵庫県⽴美術館「プラド美術館展」、京都国⽴近代美術館「横⼭⼤観展」「東⼭魁夷展」、国⽴国際美術館「プーシキン美術館展」、⼤阪市⽴美術館「ルーヴル美術館展」などがあります。
2つ⽬の教室の外の講座では、まず、2018年6 ⽉に京都国⽴近代美術館で開催された「横⼭⼤観展」のバスツアー(*1)に同⾏し、展覧会の解説をしました。
それから、3 ⽉から始まり⼤変ご好評いただいたのが、「ザ・リッツ・カールトン⼤阪”美術館探訪”講座」(*2)です。ザ・リッツ・カールトン⼤阪にふんだんに飾られている絵画やアンティークについて、実際に鑑賞しながら解説し、そのあとはホテル内のレストラン「スプレンディード」で美味しいランチをいただくという内容です。こちらではファッションやインテリアなど⾝近な話題と関連付けて解説し、ザ・リッツ・カールトン⼤阪のリッチで優雅な雰囲気を味わっていただきました。鑑賞の後は、美味しいお⾷事で楽しく会話も弾みます。おかげさまでお客様のご満⾜度が⾮常に⾼い講座となり、リピートする⽅もおられました。

ザ・リッツ・カールトン⼤阪では、優雅な雰囲気の中に講座が行なわれた
今後は私⾃⾝の知⾒をさらに深めて講座の内容を充実したものにすると同時に、教室の外での体験する講座、また、美術と別のジャンルを組み合わせたユニークな企画も増やしていく予定です。
美術を敬遠してきた⼈にはその意外な楽しさを知るきっかけ作りに、もともとお好きな⼈にはもっと⾊んな⾓度からの楽しみ⽅を知るためのお役に⽴ちたいと、私⾃⾝も楽しみながら、⽇々活動しています。
(*1)主催:サンケイリビング新聞社カルチャー事業部
(*2)主催:⼗字屋Culture 株式会社
プロフィール
東京⼤学卒業後、プログラマーを経てカラーコーディネーターとアートナビゲーターの活動を開始。⼦供の頃からずっと好きな画家は川合⽟堂とデュフィです。


黄色と青が特徴的だった当時の美術検定テキスト(今はどちらも絶版)
⼦供の頃から家にある美術全集や画集を眺めるのが⼤好きで、時々美術館に⾏くのが趣味だった私は⾯⽩そうと思い、⼿に取りました。また、美術と⾊彩は関係があるし、仕事にも役⽴つことがあるかもしれないと考えて、受験を決めました。
そんな軽い気持ちで4級から受けましたが、級が上がるにつれ、勉強はかなりハードになっていきました。が、勉強が⼤変な分、知識を得てから美術館に⾏った時に、今までと違う発⾒があることが⾃分でも驚きで、⼤きな励みになりました。
そして2014 年に1級合格、アートナビゲーターになり、関⻄でもアートナビゲーターの活動の輪を広げて盛り上げていきたいと思いました。そこで、東京で美術検定講座を開講している美術Academy&School の⽅にこの思いをお伝えしておりましたところ、ご縁があって⼤阪市⽴生涯学習センター・阿倍野市⺠学習センターでの美術史講座の依頼をいただきました。その後、各地のカルチャーセンターで講座開講となり、現在に⾄ります。
講座の内容は、⼤きく2つのスタイルに分かれます。1つは教室の中で講義し、もう1つは教室の外に出て、美術館などで実際に作品を鑑賞しながら解説をするスタイルです。
1つ⽬の教室内での講義は、⽉1回の定期講座と、1回から3回で完結する単発講座があります。定期講座では、⻄洋・⽇本美術史の通史のほか、絵画に描かれた聖書や神話、歴史のストーリーの解説や、巨匠の伝記など、いくつかの⼤きいテーマに沿ってお話ししています。最初は基本の通史から始まりましたが、受講された⽅々のご希望により、様々なテーマに広がってきています。

教室での講義風景
私⾃⾝、美術検定の勉強を通して、絵画を⾒る時の知識の⼤切さを⾝をもって知りました。それまで絵画鑑賞は感性や好みに頼るだけでしたが、検定を受けた後の⾃分の変化はまさに「⽬からウロコ」でした。ですので、受講者の⽅にも私と同じように「知ること」「発⾒すること」の楽しさ、⾯⽩さを知って味わってもらいたい、そういう思いでこのお仕事を始めました。それは今も変わらず、これからもずっとそうありたいと思っています。
また、私はカラーコーディネーターとしても活動しておりますので、⾊彩に注⽬して配⾊や構図からその絵の素晴らしさや作者の考えに迫る、あるいは⾊彩理論から絵画を読み解くというような解説にも⼒を⼊れています。
それから単発講座では、その時々に関⻄で注⽬度の⾼い美術展をテーマに取り上げ、展覧会の⾒どころや鑑賞に役⽴つ知識をお伝えしています。展⽰内容だけではなく、夜間開館の⽇時など、実⽤的な情報も併せてお伝えしています。と同時に、作品の解説に関しては、事情で展覧会に⾏けない⽅でも楽しめるような内容を⼼がけています。今まで取り上げた展覧会は、2017年は京都国⽴博物館「国宝展」、2018年は兵庫県⽴美術館「プラド美術館展」、京都国⽴近代美術館「横⼭⼤観展」「東⼭魁夷展」、国⽴国際美術館「プーシキン美術館展」、⼤阪市⽴美術館「ルーヴル美術館展」などがあります。
2つ⽬の教室の外の講座では、まず、2018年6 ⽉に京都国⽴近代美術館で開催された「横⼭⼤観展」のバスツアー(*1)に同⾏し、展覧会の解説をしました。
それから、3 ⽉から始まり⼤変ご好評いただいたのが、「ザ・リッツ・カールトン⼤阪”美術館探訪”講座」(*2)です。ザ・リッツ・カールトン⼤阪にふんだんに飾られている絵画やアンティークについて、実際に鑑賞しながら解説し、そのあとはホテル内のレストラン「スプレンディード」で美味しいランチをいただくという内容です。こちらではファッションやインテリアなど⾝近な話題と関連付けて解説し、ザ・リッツ・カールトン⼤阪のリッチで優雅な雰囲気を味わっていただきました。鑑賞の後は、美味しいお⾷事で楽しく会話も弾みます。おかげさまでお客様のご満⾜度が⾮常に⾼い講座となり、リピートする⽅もおられました。

ザ・リッツ・カールトン⼤阪では、優雅な雰囲気の中に講座が行なわれた
今後は私⾃⾝の知⾒をさらに深めて講座の内容を充実したものにすると同時に、教室の外での体験する講座、また、美術と別のジャンルを組み合わせたユニークな企画も増やしていく予定です。
美術を敬遠してきた⼈にはその意外な楽しさを知るきっかけ作りに、もともとお好きな⼈にはもっと⾊んな⾓度からの楽しみ⽅を知るためのお役に⽴ちたいと、私⾃⾝も楽しみながら、⽇々活動しています。
(*1)主催:サンケイリビング新聞社カルチャー事業部
(*2)主催:⼗字屋Culture 株式会社

東京⼤学卒業後、プログラマーを経てカラーコーディネーターとアートナビゲーターの活動を開始。⼦供の頃からずっと好きな画家は川合⽟堂とデュフィです。
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