美術検定オフィシャルブログ~アートは一日にして成らず

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「美術さんぽ」~東京国立博物館を歩く

こんにちは、アートナビゲーターのくさかです。
普段は都内の公立・私立美術館で、案内やガイドスタッフを中心に活動しています。今回は、いつもの美術館とは違う場でナビゲーターをつとめた、第1回「美術さんぽ」をご紹介します。


「美術さんぽ」一般社団法人日本美術アカデミーが主催する、美術館の常設展と周辺の見どころをゆっくり楽しもうという散策ツアーです。
1月27日に開催されたのは1回目のトライアルツアーでしたが、ご参加の方にも喜んでいただき次の開催も決まっています。

まずはこの日のコースをご紹介しましょう。

JR鴬谷駅→寛永寺(東京国立博物館裏手の街路)→旧帝国図書館→黒田記念館
→旧因州池田屋敷→東京国立博物館・総合文化展「日本美術の流れ」鑑賞
→お茶-解散

13:30、JR鴬谷駅に集合です。
「今日は皆さんと会話を楽しみながらのお散歩です。気楽にお話してくださいね!」
街路を歩きながら、参加者の方々の様子を考慮しつつツアーのイメージを組み立てます。
「このお蕎麦屋さんは美味しいそうですよ~」
そんな話も混ぜながら、皆さんのリラックス度を確認。
笑顔が沢山出るお散歩を目標に。

博物館の裏道を、15人の参加者の方と建物にまつわる小話や裏話、ときに美味しいお店の話題もとりまぜて話しながら、40分ほどかけて博物館を目指しました。
その間にグループはすっかり和やかな雰囲気となり、皆さんからもたくさんのご質問やお話を伺うことができました。

14:30、東京国立博物館に到着。
ここでひと息入れながら、展覧会のポイント等を簡単にご紹介。
参加者の皆さんに楽しんでいただけそうとピックアップした作品とルートをアタマの中で再チェック。
動線や他の来館者の方にも配慮しながら、展示室へ。

東京国立博物館では、縄文時代の展示室から始めて、「総合文化展」の10パートを約2時間かけて一周。
《秋冬山水図》や《蘭亭図屏風》をはじめ、約15点の作品を中心に鑑賞しました。
会話やクイズを織り込み、仏像の素材や工法、実際に祀られた場所の暗さなどキャプションには無いトリビアも付け加えます。
「この仏像も、元は金色だったのかしら」「ロウソクの灯りでも輝いていたのね」参加者の皆さんもお互いにどんどん会話が弾んできました。

「仁清は京焼の完成者と言われ、仁和寺から仁の使用を許されたそうです。
そのスゴさは、ろくろを使って手で全部同じ厚みに形づくりながら…」
工程や印の位置、重さ当てのクイズなどで《色絵月梅図茶壺》を説明。
「ろくろは難しいよ」「梅の花が浮き出ているみたい」と皆さんも作品をさまざまな方向から観賞してくださっています。
音声ガイドや図録にないエピソードや制作プロセス、素材の話まで盛り込むことで、皆さんの興味も広がるよう。

+++

作品や建物を見ながら「この絵はヘンだね」「ここが面白い」といった気軽な会話ができる「お散歩」にしたい、という主催者のコンセプトに共感してナビゲーターを担当した今回。
展覧会やルートの下見、時間配分、作品についての勉強をはじめ、綿密な下準備が大切でした。
参加者の方々とフラットな関係を作りながら作品をゆっくり見て回り、皆さんの言葉にハッとしたり新たに学ぶことも多かったです。
また1つ、自分に引き出しができたと実感しています。

今回のツアーの中で、いつもとは違う視点で作品を楽しんでいただけていれば嬉しく思います。


プロフィール/美術館に置いてあったチラシで「美術検定」(当時は「アートナビゲーター検定」)を知り、美術の知識がどのくらい記憶に残っているのか、と復習気分で3級を受験。2009年に美術検定1級を取得=アートナビゲーターへ。アートナビゲーターとして心掛けているのは「来た時より帰りが笑顔」。

| アートナビゲーター活動記 | 09:25 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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