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アートナビゲーター・美術館コレクションレポート「神戸市立博物館」

皆さまこんにちは。大阪在住の安田です。今回は2019年11月にリニューアルオープンした神戸市立博物館をご紹介します。


 神戸といえば横浜と並ぶ港町です。江戸時代末期の開港により外国人居留地が整備され、明治20年頃からは山の手に異人館が多く建てられました。今でも名残の異人館や居留地の遺構が残っています。
 今回ご紹介する神戸市立博物館は神戸の街中、JR、私鉄の三宮駅、元町駅から海側へ徒歩10分ほどの京町筋沿いにあります。建物は1935年に横浜正金銀行神戸支店として建てられました。京町筋に面した建物正面にドリス式半円柱が並ぶ古典主義様式の建物です。リニューアル後も外観はほぼ建築当時のままで、建物は国登録有形文化財、景観形成重要建築物、近代化産業遺産になっています。

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建築当時の様式を残す博物館外観

神戸市立博物館は昭和57年(1982年)、銀行の建物を改修し、以前からあった神戸市立考古館と神戸市立南蛮美術館を統合し「国際文化交流、東西文化の接触と変容」を基本テーマとして開館しました。

 考古資料としては国宝「桜ヶ丘銅鐸・銅戈群」があり、南波松太郎、秋岡武次郎、池長孟収集による古地図資料があります。美術コレクションとしては教科書でおなじみ重要文化財「聖フランシスコ・ザビエル像」、重要文化財「泰西王侯騎馬図屏風」、重要文化財「南蛮屏風」を含む池長孟収集による南蛮美術資料、棚橋淳二収集のびいどろ資料庫コレクションなど豊富な資料を収集展示しています。

 博物館1階ホールは銀行当時の格天井がリニューアル以前のまま、ゆったり贅沢な空間となっています。そのほかは展示、設備面が大幅にリニューアルされ、1階は無料のスペースになりました。神戸歴史展示室はジオラマ模型や映像により、古代から現代までの神戸の歴史がわかるようになっています。

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広々とした1階ホールと、神戸の歴史が分かる展示室

 また子供向けの体験学習室、図書とタッチパネルPCのある情報コーナーができ、誰でも利用しやすくなりました。カフェ、ミュージアムショップも新しくなり、カフェはレトロモダンなスペースと明治時代の異人館を再現した贅沢なスペースを選ぶことができます。

 2階はコレクション展示室、南蛮美術室、特別展示室、3階は特別展示室となっています。リニューアルされた2階コレクション展示室では「桜ヶ丘銅鐸・銅戈群」の専用展示室ができ、描かれた小動物や人の絵の解説を参照しながらじっくり鑑賞することができます。

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リニューアルされたコレクション展示室

 また「聖フランシスコ・ザビエル像」専用の展示室もでき、本物のザビエル像を間近で鑑賞することができます。ただし年1回60日が展示の限度なので、それ以外の期間は複製の展示となります。専用展示室内ではザビエルの年表や「ザビエル像」の詳しい説明なども見ることができます。

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コレクション展示室では古地図、美術、びいどろコレクションが、季節や特別展に合わせて展示されています。大規模改修とのことでしたが、リニューアル以前にあった階段脇のステンドグラスが変わらずそこにあったのは嬉しかったです。

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 またイベントや講座、子供向けの体験講座も熱心にされています。また博物館の場所が旧居留地にあることからレトロモダンな建築物も多いため、見学会なども催されています。

 神戸市立博物館では「ミュージアムカード」があり、1階の総合受付で購入することができます。申込日から1年間大人3000円、大学生1500円ですべての展覧会を何度でも鑑賞することができます。特別展にも入れるので、とてもお得です。また博物館だよりも年2回郵送してもらえます。お近くの方でしたら購入されてもよろしいのではないでしょうか。

 2020年1月現在は特別展「建築の社会と年代記―竹中工務店400年の歩みー」(3月1日まで)の開催中です。その後特別展「コートールド美術館展 魅惑の印象派」(3月28日~6月21日)が開催されます。

 神戸の街はぶらぶら歩いて楽しめる街です。阪神淡路大震災にも耐えたレトロモダンな建築物が多く残り、異人館もあります。また外国人が多く居住していたために、神戸発祥とされる洋菓子の店があり洋食のおいしい店も多くあります。神戸市立博物館においでの際は、ぜひ歩いて神戸観光もお楽しみください。


■神戸市立博物館
〒650-0034 兵庫県神戸市中央区京町24番地
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(月曜日が祝日または休日の場合開館、翌平日に休館)、
年末年始、展示入替期間
入場料 1階 無料、2階 コレクション展示室 一般300円 大学生150円 高校生以下無料(特別展のチケット提示で割引のある場合があります。1階総合受付にてご確認ください)
特別展入場料  別途、ご確認ください
TEL 078-391-0035
FAX 078-392-7054
URL https://www.kobecitymuseum.jp/


プロフィール/絵心など誰もないのになぜか画集のある家に育ち、大学では西洋美術史を専攻しました。腕試しに美術検定を受けるに先立ち練習問題を見たところ、自分の知識のものすごーい偏りに気が付きました。結局、最初から勉強をやり直しました。2018年、1級取得。

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