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美術検定オフィシャルブログ~アートは一日にして成らず

「美術検定」のオフィシャルブログです。

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直前対策になる!? アート時事ニュース

こんにちは。「美術検定」実行委員会事務局です。
今年も残すところあと2か月。検定本番まで1週間です。
今回のブログでは、少々早いですが昨年後半から今年の主なアートに関する時事ニュース10項目をまとめてみました。
1・2級を受験する方にとっては、受験対策になるかもしれません!


1・2010年の最高動員数の美術展

2010年延べ93万人の動員数を数えた美術展は、高松市と瀬戸内海の島々で行われた「瀬戸内国際芸術祭」。名古屋市で開催された「あいちトリエンナーレ2010」でも延べ57万人を数え、予想を上回る集客を記録し、地域型アートイベントを定着させた。一方美術館では、国立新美術館で開催された「オルセー美術館展」は約78万人、東京国立博物館で開催された特別展「長谷川等伯展」が総入館者数約29万人にのぼった。
【関連記事】
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/culture/20101102000108


2・Webで美術館バーチャルツアー、グーグルアートプロジェクト公開

2011年3月、アメリカのグーグル社は世界で有名な美術館に全方位カメラを持ち込み、あたかも実際展示室にいるかのような映像を見られるサイトをインターネット上で公開した。
この「グーグルアートプロジェクト」では、NYのメトロポリタン美術館やフィレンツェの ウフィツィ美術館など17の美術館から385の展示室を見ることができる。また、17の美術館がそれぞれ各1点ずつ紹介しているコレクション作品は、超高解像度で撮影されており、拡大すると筆遣いやキャンバス地まで見えるようになっている。
【関連URL】
http://www.googleartproject.com/


3・「海外美術品等公開促進法案」、今国会で成立

2011年3月25日、参議院本会議は、日本の美術館などが借り受けた海外の美術品の第三者による差し押さえを防ぐ「海外美術品等公開促進法案」を全会一致で可決した。
海外の美術館などが所蔵する美術品には、戦争の混乱などで他国から渡ってきたものがあり、展覧会などをきっかけに「本来の所有者」などが差し押さえを申し立てることがある。日本には政府所有以外の美術品の差し押さえを禁止する法令がなく、海外の美術館など、例えば台湾・故宮博物院は所蔵品を日本で展示することを拒否する事例が出ていた。
【関連記事】
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110325/plc11032520340043-n1.htm
【関連URL】
http://www.bunka.go.jp/bijutsukan_hakubutsukan/sokushinhou/horei_01.html


4・震災により美術展が次々に中止・延期に

2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響で、被災地の美術館・博物館だけでなく、関東以西で予定されていた海外美術館などから作品を借りて展示する特別展にも中止や延期が発生した。特に原発事故の影響を危ぶみ、作品の日本国内での展示に難色を示す国もあり、「印象派の誕生展」(広島県立美術館)、「プーシキン美術館展」(横浜美術館ほか)、「ジョルジョ・モランディ展」(豊田市美術館)など今年注目の展覧会の中止となった。一方で、被災者の感情を考慮し「原爆を視(み)る1945-1970」(目黒区美術館)のように展覧会テーマによる開催予定の延期などの影響も出ている。
【関連記事】
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011040201000753.html
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/mediacenter/article.php?story=20111014110014347_ja
【関連URL】
http://artscape.jp/info/1231543_2951.html
http://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/1224221_7011.html
http://www.asahi.com/pushkin2011/



5・岡本太郎の壁画《明日の神話》に落書き?

2011年5月2日、東京・渋谷駅構内の通路に展示されている岡本太郎作の壁画《明日の神話》に、福島第一原発事故を思わせるような絵を描いたベニア板が貼付けられていることがわかった。当初、悪質ないたずらとして調べられていたが、18日、現代美術家グループ・Chim↑Pomが自らその絵を手がけたと取材を通じて発表した。
【関連記事】
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110502-OYT1T00705.htm
http://www.fashionsnap.com/news/2011-05-18/chimpom-realtimes-311/


6・文化財を救う「文化財レスキュー隊」、東北地域で活動

2011年3月、被災した文化財を救出し保存する目的で、文化庁や国立文化財機構などを中心に文化財専門家らが文化財レスキュー隊を結成。4月には東日本大震災で被災した石巻市文化センターで救出活動にあたった。市文化センターは大津波で床上約3m浸水し、1階にある収蔵庫4室のうち美術品や民俗資料、考古学資料が泥水をかぶり、また民俗資料の一部が流失した。レスキュー隊員は、この泥にまみれた美術品を中心に泥を落とし、また別の場所へ搬送するなどの応急措置を実施した。
【関連記事】
http://www.asahi.com/national/update/0331/TKY201103310089.html
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110401/dst11040121280071-n1.htm
【関連URL】
http://artscape.jp/focus/10006300_1635.html


7・レオナルドの幻の絵画、ロンドンで11月に展示

ロンドンのナショナルギャラリーは、ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチが1500年ごろにキリストを描いた2億ドル(約160億円)の価値があるとされる油絵《サルバドール・ムランディ》(救世主)が発見され、2011年11月から同館で展示されると発表した。かつてイングランド王チャールズ1世が所有し、その後行方不明になっていたが、現在はアメリカの美術商組合が所有している。
【関連記事】
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2812443/7489669
【関連URL】
http://www.nationalgallery.org.uk/whats-on/exhibitions/leonardo-da-vinci-painter-at-the-court-of-milan


8・作品の引用許可が下りず、「森村泰昌」展中止に

2011年10月に岩手県立美術館で開催が予定されていた「森村泰昌「人間風景」-萬鉄五郎、松本竣介、船越保武とともに-」展は、8月に入り中止の発表がされた。この展覧会は、岩手ゆかりの作家、萬鉄五郎、松本竣介、船越保武の代表作をテーマに、現代美術家・森村泰昌氏自身の表現を通して再現を試みる内容であった。テーマに選ばれた作品の一部が、その遺族から使用許可が下りなかったというのが理由だという。森村氏は、日本を代表する岩手出身の作家3名がそれぞれの時代と社会に向きあいつつ制作していたことを、“森村流”に自身の作品として再現することで、美術と社会の関係性を岩手の現状の中熟考することを試みていたという。
【関連URL】
http://www.ima.or.jp/exhibition/past/details/331-2011_02.html


9・林原美術館存続の要望書、約6500名の署名と共に提出

バイオ関連企業「林原」の経営破綻で存続が危惧される岡山・林原美術館について、大学研究者らで組織する「林原美術館を守る会」が、2011年9月5日、石井正弘知事に美術館収蔵品の散逸回避と美術館存続を求める要望書に6530人の署名を添えて提出し、協力を求めた。「守る会」は「岡山が文化的に発展するためにも重要な資料を所蔵している。所蔵品の中には大変貴重な品々が含まれ、散逸を防がなければならない」と訴えた。
林原美術館は、「洛中洛外図屏風」をはじめとした国宝・重要文化財の作品を所蔵している。
【関連URL】
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201109060052.html



10・アメリカのウォルターズ美術館、所蔵する作品約1万点の画像をダウンロード可能に

アメリカのメリーランド州ボルチモアにあるウォルターズ美術館は、所蔵する1万点 以上の美術品の画像をクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開、HPで合法のもと誰もが自由にダウンロードできるサービスを開始した。
作品が掲載されているページを開くと、作品画像と解説文だけでなく、自分の気に入った作品を集めたオリジナルのコレクションを作ることや、TwitterやFacebookとも連動し共有することができるようになっている。
美術館は、「このサイトの目的は、当館の美術作品を国内外はじめ、より多くの鑑賞者に開かれたものにし、よく知ってもらうこと」と伝えている。実際HPのビュアー はこの1年で100万を数えたという。
【関連記事】
http://www.current.ndl.go.jp/node/19275
【関連URL】
http://art.thewalters.org/

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