美術検定オフィシャルブログ~アートは一日にして成らず

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コレクションの楽しみ

こんにちは、アートナビゲーターの大坂です。
美術の楽しみ方は人によってさまざまかと思いますが、私の場合はその1つに「作品をコレクションする」というものがあります。今回は、この「コレクションの楽しみ」~私の場合~をご紹介します。


購入前の1つ目は、ギャラリーで、今まさに制作されたばかりの作品を観るこです。また、自分が知らない作家の作品に出会えるチャンスも多くあります。美術館では、何度も展示の経験があり、ある程度評価されてきた作家が主に展示されます。しかし、ギャラリーで展示される作家の中には、まだ評価を受けていない作家も多く、どんな作品を観ることができるのか想像がつかないので、ギャラリーに行く時には、とてもわくわくします。そして、いざ、作品と対峙した時、その作品をどう受け止めるか、そこで、自分がこの作品をどう解釈して、どう評価するのか。色々と考えを巡らせながら、作品を観ていきます。

2つ目の楽しみは、ギャラリーでは展覧会の初日などに作家が在廊していることが多く、作家に直接会って話をすること。また、ギャラリストに作家や作品について話を聞き、より理解を深めることができます。

購入することを考えながら作品を観ると、作品を鑑賞して終わりではなくなるので、作家や作品のことをさらに知りたくなります。また、他の作品や作家と比較したり、自分自身や社会現象と結び付けるなどして、作品や作家についてより深く考えたくなります。作品に描かれている世界観やコンセプトに衝撃を受けたり、共感したり、よく分からないけど、何か凄いものを感じて忘れられないなど、気持ちが揺さぶられると、購入を決心します。

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私は一般的なサラリーマンで、決して裕福ではありませんが、このようにして、家計にも響かない程度の額の作品をほんの少しずつ購入してきました。
作品を購入して自宅でじっくり間近に眺めると、ギャラリーで観た時とはまた違った印象を感じることがあります。ある部分はより良く見えたり、また、ある部分は少し雑な印象を感じたり。その作家が持つ特徴が見えてきます。そうすると、その特徴が次回の展覧会の際にはどのように変化・発展していくのか、とても楽しみになってきます。

また、購入した作品は自分の手元に残ります。これまで収集した作品を見渡してみると、自分の嗜好や、何を基準に選んできたか、ひいてはアートに何を求めているのかといったことが、なんとなく見えてきます。
例えば、私の色の好みは、比較的明るい色なのですが、自分が購入した作品を改めて見てみると、意外なことにモノトーンや暗い色の作品が多いことに気付きます。これは、明るい色の作品よりも暗い色の方が、今の現実社会をリアルに映し出していて、そういった作品に惹かれると、自分が感じているからかもしれません。


作家が制作活動を続けていくためには、収入がなければなりません。ギャラリーで作品を購入することは、ほんのわずかかもしれないですが、その作家が制作活動を継続していくための支援になっていると思っています。アートを観る楽しみに加えて、作家の成長を作家とともに分かち合う楽しみもあるのです。美大を出て間もない若い作家の場合、1点2~3万円で買えることも稀ではありません。
洋服を買うようにアートを買ってみると、意外な楽しみが見つかるかもしれません。


プロフィール
横浜在住、福祉施設勤務。小学校の時に教科書で見たムンクやルノワール作品から西洋美術に興味を持つ。画廊や美術館に行き出したのは社会人になってから。独学の励みに「美術検定」を受験し、1級にも合格。

file受験に役立ったのは、「放送大学」の美術史関連の講座。テキストがなくてもテレビで聴講すると、美術史上重要な作家や作品について基本的な知識を説明してくれるので、非常に勉強になりました。

その授業で知ったのですが、ミュージアムショップなどで販売している、展示作品等の絵葉書を集めてファイリングしていくと、ちょっとした画集が出来上がり、勉強にも役立ちます。ファイリング方法を自分で工夫すると、さらに効果的な教材になりますよ(右の写真は私の手作りファイル)。

| アートナビゲーター活動記 | 16:30 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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