美術検定オフィシャルブログ~アートは一日にして成らず

「美術検定」のオフィシャルブログです。

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現代美術のキュレーションが目標!

こんにちは、「美術検定」実行委員会事務局です。
GWも残り3日となりました。関東地方はすっきりしないお天気ですが、みなさまお住まいの地域はいかがでしょう?

さて今回は、昨年実施した「美術検定」1級にみごと合格し、史上初の“高校生アートナビゲーター”となった横山由佳さんにインタビューしました。
この4月から高校3年生の受験生という10代。そんな横山さんに、アートナビゲーターを目指した経緯や美術の知識を重ねる先の目標、受験勉強について尋ねてみました。


自分のよりどころとしての美術

――「美術検定」は美術史的な知識などを問う検定ですが、どうして美術史を学ぼうと思ったのですか?

横山「中学校で美術史の授業があって、その一環で東京国立博物館の「大琳派展」に行ったんです。その時に作品にまつわるエピソードを知ることができたりして、展覧会って面白い!と興味を持ったのがきっかけです。美術にもっと深く接したいと思い始めたころに「美術検定」を知りました。ちょうど部活(バレー)も引退し、腰を痛めて、高校ではハードな部活は難しいなと思っていた時期で……。部活ができなくなった自分のよりどころになることって何だろうって考えていたんです」

――自分のよりどころとして美術を考えたのですね。では将来も、美術に関する仕事に就きたいと考えていますか?

横山「目標は現代美術の展覧会をキュレーションすることです。「大琳派展」以来、展覧会に行くのが好きになり、いろいろみに行くようになりました。中学生までは入館料無料ですから行きやすくて(笑)。現代美術の展覧会で、その自由さや可能性にびっくりしたんです。展示も古典美術とはまったく違うじゃないですか。特に東京都現代美術館の「トランスフォーメーション」(2010年)で展示の力にショックを受けました。たとえば、マシュー・バーニーの《クレマスター3》の身体感覚を展示でも体感させてくれる工夫や、スプニツ子!の持つ不気味な世界観の展示のしかたとか……。作品が持つ奥深いところまで連れて行ってくれるような展示というか。そこから現代美術のキュレーションに強く興味を持つようになりました」

――展覧会に行ったり勉強したりするほかに、美術にかかわることもやっていらっしゃいますか?

横山「今年は受験で無理なのですが、高校1年生のときから、地元の市立ギャラリーでボランティアをしていました。ワークショップのお手伝いをしたり、本のポップを考えたりするものですが、美術の仕事をしている人たちのそばにいて関わりたいと思って」

――では、大学生になったら、またボランティアのような活動はやりたいと?

横山「ヨコハマトリエンナーレのサポーターになってみたい!美術館のギャラリーガイドにも挑戦してみたいです。何より展示をみていたいし、現場の人たちの仕事をみて話を聞いてみたいと思っています」


1級対策は展覧会日記?

――ここで、「美術検定」の受験勉強についてお尋ねします。横山さんは最初から2級受験ですよね。どんな勉強をしましたか?

横山「中学3年生の冬に検定を知ったので、お年玉で『2級練習問題』を買いました。学校で印象派までの流れを習ったこと、図書館で『迷宮美術館』シリーズ(河出書房新社)といった入門書を借りて読んでいたこともあって2級からでいいかな、と思って……。とにかく問題集を解いて解説を読み、自分でノートを作りました。あとは、図書館で『カラー版』シリーズ(美術出版社刊)を借りて読んだことかな」

――1級では特に対策などはしましたか?

横山「過去問題などをみて、作品と展示をみることだ!と思って、とにかく展覧会に行きました。去年の夏休みだけで、ジャンルが偏らないよう気をつけて11の展覧会をみたんですよ。すごくよかったのは各館の常設展。美術史の流れが作品で追えるので、ビジュアルから入ることが好きな私には、一番勉強になったと思います」

――展覧会日記のようなものもつけているとか。

横山「去年から始めたもので、自分の感想を書いているだけなのですが……。展覧会で気になった作品があると作品目録に丸をつけておきます。ノートにその作品や展覧会についての感想や考えたこと、以前みた展覧会との展示比較、以前みた作品とのつながりなど発見したことを書く、というものです。記述式試験対策になったのかなぁ? 展覧会のチラシも全部保存していますが、これは受験勉強に役立ちました」

――2011年の1級記述式問題は少し傾向が変わりましたが、その点はいかがでしたか?

横山「今までは展覧会やイベントについての設問が多かったので驚きました。作品に関する深い知識には自信がなく、みたことのある作品なら書けるかなと思い[設問B]を選んで……。ただ、作品について自分の言葉で書いて人に伝えることは楽しかったです。とはいえ難しかったので、合格通知が届くまではドキドキでしたけれど……」

――作品を自分の言葉で語ることは大切ですか?

横山「美術評論などを読むと難しい言葉が多くて……。書き手に自分の世界があるのだろうと思います。だから自分の中にストンと落ちる言葉にするのも大切かな、と。そのためにも視野を広げながら、自分の生きている間の美術をみ続けていたい。そして、いつか美術の転換期となる展覧会を自分の言葉で語れたら、と思うんです」

――では、受験も頑張ってくださいね。今日はどうもありがとうございました。
(聞き手/染谷ヒロコ=本ブログ編集)

プロフィール
現在高校3年生。2010年に「美術検定」2級、2011年に1級合格。「創るより作品をみるのが好き、展覧会をつくりたい。そのためには作家に近いところがわかるようになった方がいいよとアドバイスを受けました。現代美術にはメディア・アートもあるし、視野を広げたくて理系志望です」と話す。

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