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美術検定応援館「戸栗美術館」訪問レポート

こんにちは。アートナビゲーターの高谷です。
今回、私は渋谷区松濤(しょうとう)にある戸栗美術館を初めて訪れました。
この美術館は「美術検定・応援美術館」。美術検定合格証を提示すると団体料金で入館できるんですよ。
さて、どんな美術館なのでしょう?最寄り駅からのみどころも一緒にご紹介します。


この日は京王井の頭線神泉駅から松濤方面へと向かいました。松濤は東京都心を代表する高級住宅地。辺り一帯は明治の初め頃、旧佐賀藩主の鍋島家の所有地となり、そこに開拓された茶園「松濤園」が地名の由来となったそうです。茶園の涌水池があった一角は、今では鍋島松濤公園として整備されています。私が訪れた時には園内のいたるところでアジサイが花を咲かせていました。

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鍋島松濤公園。梅雨の季節、池を囲む園地にはアジサイの花が咲いていました。

また、松濤には渋谷区立松濤美術館、ギャラリーTOM、観世能楽堂などの文化・芸術関係の施設が集中しており、戸栗美術館もその一角にあります。

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鍋島松濤公園の入口付近に掲示されていた地図。
ギャラリーTOMは実際には同じ区画の右寄りの角に位置します。


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松濤の高級住宅地の一角に建つ戸栗美術館の外観。

私が訪れた日には、企画展として「初期伊万里展~日本磁器のはじまり~」が開かれていました(9月23日(日)まで)。1610年代の日本磁器の草創期から色絵磁器が登場する1640年代以前の染付(そめつけ)を中心とする素朴でおおらかな初期伊万里の所蔵品が2階の第1・第2展示室を使って展示されていました。

第3展示室の「古伊万里のすべて」は、初期伊万里、古九谷、柿右衛門、金襴手という伊万里磁器の各様式の時代順展示です。解説パネルにはそれぞれの様式の特徴が写真入りで分かり易く書かれていて、実物の展示品と照らし合わせながら馴染みの薄い専門用語を楽しく学ぶことができます。初期伊万里のキャプションには現在開催中の企画展が取り扱う様式であること、また、古九谷の解説では次回企画展「古九谷名品展~躍動する色絵磁器~」(10月7日(日)~12月24日(月・祝)開催)の予告が掲示され、伊万里焼の様式展開と企画展との関係がひと目で理解できるようになっていました。次回展では、第2週・第4週の水曜と土曜に、学芸員による展示解説も行なわれるそうです。

館の方にお聞きしたところ、この「古伊万里のすべて」は今年4月に始まった常設のコーナーだそうです。収蔵品の中から展示品を入れ替えつつ、来館者に古伊万里の基本知識を知ってもらおうと展示を工夫している、とのことでした。

私自身、これまで陶磁器に関する知識はほとんどなく、やきものの展覧会は敬遠気味でした。しかし、戸栗美術館を訪れて伊万里焼に関する専門用語を興味深く学ぶことができ、古陶磁器に向ける眼差しが変わったような気がします。知れば、解れば、面白くなる。知識を得て理解が深まることの喜びを感じることができた貴重な体験でした。

神泉駅への帰路にはカフェやレストランがいくつも並んでいます。私はガレットとクレープのお店でランチをいただきました。美術鑑賞の後のグルメ。これもまた分かち難い楽しみのひとつですね。松濤にお越しの際はお立ち寄りを!


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プロフィール/小学校時代から図工・美術が苦手科目だったのですが、歴史好きもあり古今東西の美術史に足を突っ込み始めました。腕試しとて2009年に美術検定2級を受験、2010年には1級に合格。現在は、休日を中心に足繁く美術展に通い、作品の新たな魅力を発見しつつ修練を積み続ける日々。受験にあたっては、とにかく美術作品を観ること、アート活動について考えることをおすすめします。あとは練習問題をこなし、弱点分野を把握し、足りない知識を市販の書籍で補給しました。記述式問題は、過去問題と模範解答を十分に分析し、出題の傾向やクセをつかみ自分なりの解答戦略を立ててみると効果的です。

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